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その時思った気になる事を忘れないためにもこういう場所に書いてみたりしちゃいます。

【映画レビュー】バーニング・オーシャン【75点】

最悪の人災を圧倒的な迫力で描く実話映画 

・短評

実話と聞いて恐ろしくなるほどの圧倒的な迫力の脱出劇

 

・あらすじ

メキシコ湾に浮かぶ石油掘削施設「ディープウォーター・ホライズン」。

予定の稼働日からかなり遅れ、焦りを感じた本社の幹部ヴィドリン(ジョン・マルコヴィッチ)はしっかりと安全性が確認できない状態で施設を稼働してしまう。

そして、誰もが恐れていた逆流事故が発生し陸地まで80kmあるこの施設は海上で炎上する…。

 

・感想

ピーター・バーグ監督&マーク・ウォールバーグ主演の実話である今作。

 

実は僕はあまりこの作品に期待していませんでした。

それは同じタッグで実話を描いた『パトリオット・デイ』に心を既にやられていたからです。

パトリオット・デイ』では実際に起きたテロであるボストンマラソン爆破事件の顛末が描かれていましたが、

やはり再現されたテロのシーンは重く、子供の死体をズーッと見つめる警察官の姿に精神的に耐えられずとにかく映画館を出た後は辛いと言う気持ち以外があまり出てこなかったのです。

 

最初に言って起きますが、今作で描かれるメキシコ湾に原油流失事故も11人の犠牲者が出ており、

スタッフロール前に表示される亡くなった人の生前の写真は胸を打つものがあります。

 

この映画は事故の様子と炎上する海上施設からの脱出がど迫力のスケールで描かれており、パニック映画としても観る前の想像を遥かに絶するスケールとハラハラ感があり鑑賞者を退屈させません。

 

工期の短縮と耐久テストの短縮を命じるヴィドリンの登場とテストの重要性を訴えるカート・ラッセル演じる現場主任の対立。

そして、案の定の逆流事故からの施設炎上。

マーク・ウォールバーグ演じるマイクの活躍、現場の作業員たちによる救助や被害の封じ込めなど目まぐるしい展開に手に汗握りハラハラドキドキしながら最後まで鑑賞すると、そこで表示される実際の犠牲者の名前の数々。

 

素直に楽しかったと言えず、現実に引き戻されたような苦しさがありました。

しかし、映画と言う媒体で娯楽要素を盛り込み実話を描くことで悲劇を二度と繰り返さないように世間に認知させる目的であれば、

この映画ほどその目的に真摯に取り組んだものはないのでは、と思えました。