【映画レビュー】エビデンス 全滅【60点】
サスペンスとして観れば一見の価値あり
・短評
ホラーやスプラッタとして観ると退屈だが、サスペンスとして観ると筋が通った佳作
・あらすじ
ラスベガス行きのバスが砂漠地帯で横転し、行き場を失った乗客たちが何者かにバーナー等の凶器を使って殺害された。
事件現場から事件当時の映像を見つけた警察は映像から殺人犯の正体を突き止めようとする…。
・感想
僕はあまりスプラッタやスリラー映画と言った作品は鑑賞しません。
それでも『13日の金曜日』のような名作と呼ばれる作品は鑑賞しますし、『サプライズ』のような話題となった作品も取り敢えず観ています。
一方で、POV方式(主観ショット)で撮影された映画はどのジャンルでも割と好きで、
ジェイク・ギレンホール主演の『エンド・オブ・ウォッチ』は人生の中で見た警察映画の中でもトップ3に入ります。
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そんなわけで、今回は低予算ながらも話題となったPOV方式の映画『エビデンス 全滅』を鑑賞しました。
事件の当時の様子を被害者たちが撮影した動画を、後に警察の人間が検証すると言う内容なので、
厳密にはPOV方式の映画とは言わないのかもしれませんが、発想が独特で静かな人気を集めていました。
ざっくりとした全体の印象は解説のある『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』と言った感じで、
POV方式の欠点でもある「観測者のみの情報ゆえの物語の分かりくさ」を警察による検証、と言う設定で上手くカバーしています。
しかし、やはりこの映画は「溶接用のマスクをした狂人が人を殺す」と言うスリラー映画だと思っていたので、
過激なシーンも数えるほどしかなく、加えて見難いので中盤までは少し退屈でした。
ですが、この映画の本当の見所は事件の真相にこそあります。
何転もする犯人候補も面白味ではありますが、真犯人の正体を知ると、
それまでの映像にあった違和感の正体が分かり、「あー、なるほど」となります。
やや見せ方が下手に感じてしまうのが残念ではありますが、丁寧に張られた伏線が効くラストでもありサスペンス好きの方には一見の価値がある作品だと思います。