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その時思った気になる事を忘れないためにもこういう場所に書いてみたりしちゃいます。

【映画レビュー】SP 革命篇【78点】

係長は止めて欲しいんですよ、俺たちに

SP 革命篇 Blu-ray特別版

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・短評

井上と尾形の関係性がドラマファンには熱い最終章

 

・あらすじ

議会中の国会議事堂が尾形総一郎(堤真一)率いるSPと武装集団によって占拠された。
尾形の企みによって難を逃れた井上薫岡田准一)と警護課のメンバーは尾形が自身を見出した理由と自分たちが難を逃れた意味に気づき、行動を開始する……。

 

・感想

以前から何度も推させていただいているこの作品。
そのアクションの魅力はもう説明するのはくどすぎるので、今回は物語の魅力について書いていこうと思います。

 

ドラマから続くこのシリーズの魅力は何と言っても主人公チームの関係性です。

 

岡田准一演じる井上薫は幼少の頃に両親を目の前で殺害された経験から超人的な第六感で警護の仕事を全うする一方でその能力を使い勝手に動くので組織に勤める人間としてはいつも腫れ物扱いされ、類まれなる資質を理解されません。
しかし、そんな井上の資質と正義の心を見抜き警護課に抜擢したのが堤真一演じる尾形総一郎です。

 

この二人の信頼関係はドラマシリーズで丁寧に描かれたのですが、衝撃的だったのは尾形が実は「テロリスト側の人間」であったと最終話で分かることでした。

お互いの信頼関係が崩れ、危険を察知する井上の感覚が常に鳴り響き井上の尾形への警戒が露骨になる様子が描かれたのが前作の『SP 野望篇』。

SP 野望篇 Blu-ray特別版

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そして、今作では遂に始まった尾形の計画とその計画を止めるために自分が選ばれたと理解した井上たちの行動が描かれているのですがこれがとにかく熱い。


井上は終始尾形の行動を止めるために動きますが、一方で尾形は井上に対し躊躇なく発砲します。
銃を向けるだけでなかなか撃たない前作に比べ、信頼していた部下にさえ容赦なく発砲する尾形はとにかく恐ろしく感じると同時に、井上なら避けるだろうと言う歪な信頼の表れなのではないかとも勘ぐってしまいます。

 

他にも香川照之演じる政治家、伊達國雄たちのいやらしさもこの映画を盛り上げています。
尾形の革命行為に乗っかっておきながら、その裏では尾形を踏み台にする計画を立てる伊達、それに反して井上と言う計画の味方ではないジョーカーを施設内に招き入れている尾形のどちらの計画が成就するのか、見どころの1つになっています。

 

また他の警護課のメンバーの魅力も並大抵ではなく、
男勝りな性格で暴力的ではあるが井上の実力を認め常に気にかけている笹本(真木よう子)、
独断専行の井上の行動を問題視し疫病神扱いしているがだからこそ自分がいなければいけないと考えている山本(松尾諭)、
サブリーダー的存在で全員を見守る石田(神尾佑)のそれぞれの井上に対する気持ちが分かる前日譚スペシャルドラマ『SP 革命前日』は戦闘シーンこそないものの今作をより面白くする作品としておすすめです。
山本と石田の「仕事はやめたいけど、後輩(井上)が一人前になるまでは支えたい」と言うセリフは特にシリーズを通しても大好きだったりします。

 

と、まあ、ここまで語りましたけど、純粋にこのシリーズが好きなだけで正当な評価は間違いなく出来ていません。
正直観ていただく他にはないのですが本当に大好きなので続編を待ち望んでいます……。