a picture is worth a thousand words

その時思った気になる事を忘れないためにもこういう場所に書いてみたりしちゃいます。

【漫画紹介】NieA_7

たまには映画やドラマから離れて好きな漫画でも紹介してみようと思います(単にネタ切れ中です)。

 

僕はあまり絵に詳しくなく美術館に行ってこの絵画はすごい!と思うことはあっても特定の好きな画家等はいません。
漫画に関してもそれは同じで、物語が好きで集める作品はあっても特定の作家さんを絵目的で追いかけることは余りなかったりします。

 

ですが、そんな中で絵だけを目的に好きなイラストレーターがいます。それが今回紹介する『NieA_7』の作者、安倍吉俊さんです。

 

何となく目につき、買って読んでみたら面白かったと言う理由でハマり、一昨年中野ブロードウェイ行われた画展にも足を運びご本人とお話しも出来ました。

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正直、安倍吉俊さんの関わった作品は絵だけでなく内容も良い物が多く『serial experiments lain』や『灰羽連盟』も大好きなのですが、その中でも特に漫画版の『NieA_7』が大好きです。

ニアアンダーセブン (1) (角川コミックス・エース・エクストラ)

ニアアンダーセブン (1) (角川コミックス・エース・エクストラ)

 
ニアアンダーセブン (2) (角川コミックス・エース・エクストラ)

ニアアンダーセブン (2) (角川コミックス・エース・エクストラ)

 

NieA_7』は上下巻だけで完結する短い作品で、
宇宙人が現代社会に馴染んだ世界観を背景に、故郷に身体の悪い弟を残し銭湯「荏の花湯」に下宿する貧乏浪人生のまゆ子と勝手にまゆ子の部屋に住み着いた宇宙人ニアの生活をコメディ満載で描いています。

 

貧乏すぎて何回も使用した出涸らしのティーパックから出した色付きの紅茶が朝食だったり、お店でのお釣りの渡し間違いに一喜一憂したりと底抜けにバカなニアとの貧乏やり取りが面白いコメディでありながら、
まゆ子の抱える孤独と光の見えない未来を憂う心苦しさや、宇宙人との共存が描かれながらも昔懐かしい下町の街並み、宇宙人たちの階級問題など僅か2巻のなかにとんでもないような量のジャンルが詰まっています。

 

純粋に物語展開だけでも楽しめますが、母艦のメッセージの意味や、アンダーセブンと呼ばれる最下級の階級など物語の端々に登場する語られない要素の考察も深く、何回も読んでいる自分ですらまだまだ楽しみきれてないのではとさえ思えます。

 

悪くはなかったのですが個人的にはアニメ版は余りノることが出来ず、やはり漫画版の方が短く、また詰まりに詰まっていて好きでした。

 

ちょっとしたロマンスもある、ニアと暮らすひと夏の出来事。たった2冊で長くもないのでぜひ手に取って読んでいただきたい作品です。