【映画レビュー】ゾンビ【60点】
ゾンビ映画の定石を作り出した伝説の作品
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・短評
ショッピングモールに逃げ込むという展開のワクワクさが凄いが個人的にはあまりノれず
・あらすじ
死者が蘇り、人々を襲い始めて数週間後。人類は絶滅の危機に瀕し、発狂する者や暴徒化する者など混乱の最中だった。
テレビ局に勤めるフランシーン(ゲイラン・ロス)とスティーブン(デビッド・エンゲ)はこの状況に危機感を覚え、SWAT隊員のピーター(ケン・フォリー)とロジャー(スコット・H・ライニガー)を含めた4人でヘリコプターによる都市からの脱出を試みるが……。
・感想
1978年に公開され、当時ほとんど名前の知られていなかったジョージ・A・ロメロ監督が世界的に有名になった代表的なゾンビ映画。
実はゾンビ映画にはかなりうとく、2004年に公開された今作のリメイク作品である『ドーン・オブ・ザ・デッド』やオスカー受賞監督でもあるダニー・ボイルの『28日後…』、後はコメディやらB級やらを少し観たくらいであまりゾンビ事情に詳しいとも言えません。
一方でゾンビ映画の定石と日本の田舎町の雰囲気を融合した『Zアイランド』や大泉洋主演で話題となった『アイアムアヒーロー』など邦画のゾンビ映画の成長はめざましく感じ、これは僕も色々観ておかないとな、と感じ今作を鑑賞することにしました。
ゾンビ作品と言えばその定番はやはり「ショッピングモール」でしょう。
前述した『アイアムアヒーロー』ではアウトレットに立て籠りますし、日本製のゾンビゲームで大好きな作品である『デッドライジング』ではその発想だけでゲームが出来たほどです。
そのゾンビ映画のお決まり的展開であるショッピングモールへの立て籠りと言う定石を作り出したのが今作『ゾンビ』です。
『マッドマックス』のような世界荒廃作品と違い、人類は絶滅の危機にあっても直接破壊的ダメージを受けたわけではないので建物そのものは完全なままで、
尚且つ生活必需品から衣服まで必要なものが全て揃う、と言った安心感と生活の要となる場所が危機的状況においても活躍するという面白い構図でもあります。
その他にも、発狂し人々を襲う兵士や暴徒化し、生き残った人たちから物資を奪おうとするレイダーのような存在まで我々がゾンビ映画で普通のことのように思える部分は全てこの映画が基となっているとさえ言えます。
しかし、この映画がゾンビ映画ファンによって愛され、数々の要素を生み出した伝説的作品と知ってはいるのですが、僕はそこまで好きではありません。
この時代の映画を今観てるんだから仕方ない、とは思うのですがやはり時代を感じさせてしまうのかあまりハラハラせず、
また、僕が観たい部分である立てこもった人たち、生き残った人たちの日常があまり描写されておらず、「ショッピングモールに逃げ込んだ利便性」がゾンビの多いところにわざわざ行ったとしか感じれませんでした。
とは言え、数々の要素を生んだ今作は観て損のない映画でしたし、また観て良かったとも感じました。