【映画レビュー】ベイビー・ドライバー【78点】
映画好きに人気の理由が分かる良作
・短評
先を読ませない展開で常にハラハラしつつも、音楽の使い方が良くテンションが上がる
・あらすじ
幼い頃に両親を交通事故で亡くし、自身も耳に障害を抱えたベイビー(アンセル・エルゴート)は借金を抱え強盗の逃し屋を続ける毎日だった。
音楽を聴くことで耳鳴りが止み、天才的な運転の腕前を発揮するベイビーはノルマを終え裏の世界から解放されるはずだったが…。
・感想
8月に公開され、音楽を軸にバイオレンスな世界を描いた作品として映画好きの話題を集めた今作ですが、僕の住む地区ではなかなか公開せず辛い気持ちを味わっていましが、
先日ようやく地元で公開されたので、映画館に足を運び鑑賞して来ました。
まずこの映画を観て思ったのは、雰囲気は違いますがライアン・ゴズリング主演の『ドライヴ』に似ているという事でした。
もちろん、両者は明らかに違います。
『ドライヴ』は逃し屋と言う職業を望んでやっていますし、主人公の素性は一切明らかになりません。
しかし、裏の世界のドライバーが出会った女性を守るためバイオレンスな領域に足を踏み入れる展開や、先の読めない展開は似ていて文章だけなら類似作品のようにすら思えたはずです。
しかし、2つの作品を決定的に分けたのは音楽です。
『ドライヴ』では、バイオレンスな映像に相反する静かな音楽を流す北野武監督作品をオマージュした演出により、凄惨な裏の世界に生きる静かな男の性格を表現していました。
一方で、今作では派手な曲を中心に多種多様な曲を流す事で映画を彩り、無口なベイビーと言う人間の豊かな感情を描いていて鑑賞後の感覚もバイオレンスな映画なのにさっぱりとしていました。
カーチェイスシーンも目新しさはないものの、スタイリッシュさは充分に感じることができカーチェイスがあまり好きでない自分も退屈な思いは一切しませんでした。
オールタイムベスト級の作品!とまで自分には刺さりませんでしたが、今年の映画の中で上位に入るのは間違いのない作品です。
でもヒロインのリリー・ジェームズはとにかく可愛かったです。(小声)