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その時思った気になる事を忘れないためにもこういう場所に書いてみたりしちゃいます。

【映画レビュー】神さまの言うとおり【50点】

デス・ゲームを見せようとしすぎて原作を蔑ろに?

神さまの言うとおり DVD 通常版

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・短評

随所随所に面白い要素はあるもののご都合主義満載の展開で台無しに

 

・あらすじ

日々に退屈を感じていた高校生の高畑瞬(福士蒼汰)の目の前で教師の頭が爆散し、死のゲームが始まった。
あまりにも理不尽かつ高難易度のゲームの前に次々と同級生たちが死亡していくなか、瞬は自身の類まれなる能力を開花していく……。

 

・感想

この作品は映画公開当初に映画館で鑑賞しているのですが、NETFLIXで作品を再鑑賞してみても最初の感想から変わりませんでした。

 

映画の世界でも漫画の世界でもデス・ゲームものは多く存在しますが、この映画の原作となった同名漫画でこの作品が他のデス・ゲームものと大きく異なって点は「それぞれの個性」だったと思います。


映画でもその「個性」はしっかりと取り上げられ、主人公の危機的状況や他人の死を見ながらもに策を張れる機転が効く部分や、洞察力の高さは映画内でも魅力的で「こけし」による「かごめかごめ」の攻略シーンあたりは大好きなシーンでした。

 

しかし、今作のヒロインにあたる秋元の「死の危機に直面すると性的興奮を覚える」と言う設定は削除されごく普通の女子高生になっていたり、その他にも重要な要素が次々と削除されごくありふれたデス・ゲームものと大して変わらない作品になっていたことがショックでした。

 

もちろん、「原作と設定を変えるな!」と言うことを言う気はありません。


原作と映画では別物だと僕は考えていますし、全くの別シナリオにした作品の中にも多くの成功作があります。

 

ですが、この作品は映画そのものとしても多くの欠点を感じます。

 

緊迫した状況下、一分一秒を争う状態なのにも関わらず普通に会話をしていて、なおかつ喋っている主人公たちは一切襲われないシーンに違和感しか覚えません。
実写版の『GANTZ』でも銃を向けたまま喋ってばかりでなかなか撃たないシーンが多くイライラしたり、原作のセリフをそのまま持ってきて映像化してはいけないと言う悪い見本を見ているかのようでした。

 

その他にも、オリジナルゲームが純粋に面白くないし(シロクマに関してはなぜ天谷が謎に最初から気が付いていたのか説明不足)、原作の要素を説明も無しに物語のキーにするし、その上続編ありきな終わりかた、とあまり好印象になれる部分が少なかったです。

 

しかし、神木隆之介の演じるサイコパスの天谷だけはかなり良かったです。


映画オリジナルゲーム「カンケリ」では天谷らしいスタイリッシュな缶の取り方で他を圧倒するシーンは思わず格好良く感じましたし、原作とは方向性が違いますが天谷の歪んだ人間性と狡猾さを神木隆之介が表現していました。

 

と、そんなこんなであまり好きではない実写化作品ですが、何か「惜しい」部分を色々と感じる作品でした。