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その時思った気になる事を忘れないためにもこういう場所に書いてみたりしちゃいます。

【映画レビュー】ドットハック セカイの向こうに【75点】

僕たちは、思ってる以上につながってるのかもしれない

・短評

シリーズの王道展開だが、美しい景色と現実との繋がりを意識した良映画化

 

・あらすじ

世界的人気の続くオンラインゲーム「THE WORLD」。
高校生の有城そら(声:桜庭ななみ)は祖父の古臭い性格の影響と自身の頑固な性格から同級生たちが熱狂するゲームを始められずにいた。
ある日、同級生の岡野智彦(声:田中圭)と田中翔(声:松坂桃李)の勧めで「THE WORLD」の世界に踏み込む。
しかし、一方で世間では「THE WORLD」をプレイ中に意識不明に陥るプレイヤーの話しが続出し……。

 

・感想

2012年に公開された.hack//シリーズ初の映画作品。
PS2で発売されたゲーム『.hack//G.U.』でシリーズにハマり2010年の『.hack//link』以降、公式からの供給が薄れていた当時、学生時代の僕は一人でこの映画を観に行きました。「映画じゃなくてゲームを作れよ」と言う想いを胸に……。

 

.hack//シリーズは架空のネットゲーム内で起こる人間模様と、「ゲーム内で死亡すると現実のプレイヤーが意識不明になる」と言う騒動への対峙を描いたゲームで、
オフラインゲームでありながら(※一部例外あり)、オンラインのMMORPGを疑似的に体験でき、物語の進行や他キャラとの交流によって掲示板が更新されたり、ニュースが更新されたり、他キャラからメールが届いたりと当時としては革新的な内容でした。

 

今作も物語に関しては「バグが現実世界にも侵蝕する」「意識不明者が出る」「バグを取り除くためにアウラの力を使い総出で戦う」「運営会社が叩かれる」と言うもはやシリーズの王道的展開を辿り既視感だらけで、
「どうしてこんなに人体どころか社会にすら影響を及ぼす不祥事を起こしまくるゲームが存続してるんだ……」などと疑問が絶えない部分はあるのですが、今作では今までではあまり描かれなかった「現実世界」のプレイヤーがメインに描かれるのでその部分は新鮮に感じます。

 

ネットゲーム内のキャラクターとその中身のプレイヤーを間違えて覚えてしまったことから起こるラブコメ展開など、少女漫画っぽい展開もあったりしますが、今作の一番の見どころは5年経った今観ても感動するほどの映像の美しさです。

 

ネットゲームである「THE WORLD」の世界観を当時の最先端のグラフィックで描いているので、PS2クオリティでしか味わえなかった今までと違い、主人公のそらがゲームにログインした段階でそらと同様に壮大な世界観の前に圧倒されます。
キャラクターたちの動きにも違和感がなく、ゲームの中の世界と現実との乖離も上手く表現しているのですが、この作品は現実世界の描写もとにかく美しいのです。


主人公の住む福岡が主に舞台となるのですが、映画内で幾度となく登場する柳川は聖地巡礼と言うものをそこまでしない僕ですが国内で一番行ってみたい場所だったりするほどです。

 

主なキャラクターの3人は名の知れた俳優たちが演じていますが、主演の桜庭ななみは『サマーウォーズ』でヒロインを演じたり、海外ドラマの吹き替えを担当するだけあり、なかなかの安定感がありますので、俳優が声優なことに抵抗がある人でも安心して観ることが出来ると思います。

 

.hack//G.U.』がボリュームアップしてリメイクされた『.hack//G.U. Last Recode』が11月に発売なので、それに先駆け再鑑賞しましたがやはり美しい映像でした。