【映画レビュー】斉木楠雄のΨ難【65点】
俳優陣の楽しそうな雰囲気が伝わるギャグ映画
映画ノベライズ 斉木楠雄のΨ難 (JUMP j BOOKS)
- 作者: 麻生周一,福田雄一,宮本深礼
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2017/10/04
- メディア: 新書
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・短評
大きな笑いは起きないものの退屈はしない90分
・あらすじ
全知全能の超能力者、斉木楠雄(山崎賢人)の楽しみは文化祭の日に文化祭をサボり日帰り旅行に行くこと。
しかし、今年の文化祭で問題が起こると来年からは文化祭が取りやめになると知った斉木は文化祭の日に起こる問題を阻止するべく動く。
文化祭の日、斉木の望みとは違いそこかしこで問題の火種がくすぶり始め……。
・感想
勇者ヨシヒコシリーズで有名な福田雄一監督による人気ギャグ漫画の実写化作品。
まず僕はこの原作のファンと言うわけではありません。ジャンプを読む際には読むくらいの頻度でしか読まないのでこの漫画の詳しい登場人物についてはあまり知らなと言うのが現状です。
ですが、この作品に勇者ヨシヒコシリーズと同じ感覚を嗅ぎ取ったので映画館まで足を運んでみました。
福田雄一監督と言えば今年同じジャンプ系列のギャグ漫画『銀魂』を原作の雰囲気そのままで再現していましたが、
同じ実写化でも今作はどちらかと言えば勇者ヨシヒコ似なのではないか、と感じました。
オープニングもテイストが似ていたり、どこかで見たような俳優が使われていたり(犬の散歩中の女性をナンパする奴ってヨシヒコのポンジですよね?)、独特の間を使ったギャグパートは福田監督の十八番と言えます。
映画全体の雰囲気としても勇者ヨシヒコを90分観ているような感覚で、大きな笑いは起きないものの終始ニヤニヤしてしまいました。
その思わずニヤついてしまう大きな要素の一つは、俳優たちがどれも楽しそうなことでした。
自分の美貌を自覚する照橋と主人公の斉木楠雄のシーンは特に橋本環奈と山崎賢人の顔芸合戦であり、特に山崎賢人の演技の幅の広さに驚嘆するとともに、無理矢理やらされてる感の薄い楽しそうな演技になごみます。
正直『ジョジョの奇妙な冒険』や『氷菓』など、僕の好きな作品の実写化で次々と主演を勤める山崎賢人が昔の綾野剛同様何となく嫌いだったのですが、出演作を観れば観るほど好きになってしまうので、山崎賢人の実力は確かなものなのでしょう。橋本環奈は可愛いです(適当)。
僕が今作でもう一人好きになった俳優がいます。
それは賀来賢人です。
『Nのために』で嫌いだった安藤を演じていたのが一番の気に入らない理由だったのですが、今作で一気に好きになりました。
彼の演じた窪谷須は、優等生になろうとしている元超ヤンキー(別名:殺戮兵器)なのですが、事あるごとにヤンキーの地が騒ぎ出します。
その時の賀来賢人の顔が狂気的で、あの顔を観るだけでもはや少し笑えます。
そんなわけで顔芸とかがとにかく多い作品なのですが、退屈せず90分の間楽しめました。