【映画レビュー】ブレードランナー 2049【80点】
前衛芸術を観ているかのような163分
The Art and Soul of Blade Runner 2049
- 作者: Tanya Lapointe,Denis Villeneuve
- 出版社/メーカー: Titan Books Ltd
- 発売日: 2017/10/05
- メディア: ハードカバー
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・短評
長い上映時間を感じさせない没入感を味わえるか、寝るかの2択映画
・あらすじ
人間に忠を尽くすように設計された新式レプリカントの発明によって反乱を繰り返し起こした旧式のレプリカントは駆除の運命にあった。
レプリカントを狩る仕事に就く捜査官K(ライアン・ゴズリング)はある日、レプリカントが子供を産んだ痕跡を見つける……。
・感想
前作『ブレードランナー』から35年の月日が経ち公開された続編。
前作の主人公であるハリソン・フォード演じるデッカードが登場することで製作の段階から話題となっていました。
しかし、前作の記事内でも言及した通り、前作はまさに様々な要素を創造した名作中の名作。
【映画レビュー】ブレードランナー ファイナルカット【90点】 - a picture is worth a thousand words
それだけに続編と言うのは楽しみな反面、いまいちな出来を見せられると過去作まで汚されたようでがっかりしてしまいかねません。
そのため、かなりドキドキしながら映画館に足を運ぶことになりました。
そして、映画を見て最初に感じたことは、この映画は前作を好きな人以外にオススメはし難いが間違いのない名作だと感じました。
この映画を一言で言い表すならば「意識の高い映画」で間違いないと思います。
もちろん良い意味での話ですが、オレンジや赤、そして前作同様青のような濃い色を前面に押し出した映像と、間を長く使ったワンカットワンカットが視覚効果として強く頭に残り、
この映画の映像作品としての異質さが際立ちます。
ただ、それ故に合う合わないははっきり出ます。
予告を観て「お、派手で面白そーじゃん」と思った方、残念ですがこの映画はオススメ出来ません。
確かに前作に比べ派手なシーンも多くあります。
ですが、そのシーンは全体の1割未満で、多くは1人のレプリカントによる「自分探しの旅」に当てられます。
そのためか僕の隣の隣の方はイビキをかきながら寝ていましたし眠くなったと言う話も良く聞きます。
単に公式ホームページで公開されている前日譚を観ていないからなのかは分かりませんが、
前作と同様に劇中で語られない部分も多く深い考察のしがいがあります。
ネタバレになってしまうので詳しく語ることは出来ないのですが、僕が一番気になっているのは「誰がとある人物に記憶を埋め込んだのか」と言うか部分です。
映画内の人物たちが思うよりも早く自体の変革は進み始めてるのではないかと妄想させてくれます。
やや続編を作りたい欲を見せつけられるのはなんとも言えませんが、唯一無二の作品であることは間違いありません。