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その時思った気になる事を忘れないためにもこういう場所に書いてみたりしちゃいます。

【映画レビュー】HiGH&LOW THE MOVIE 3 FINAL MISSION【85点】

ファン大感謝祭

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・短評

ご新規さんにはオススメしにくいが、シリーズを追ってきたファンにはたまらない作品

 

・あらすじ

最大の暴力団、九龍グループとの本格的な抗争が始まり、壊滅状態に追い込まれたSWORD。
山王連合会の総長コブラ(岩田剛典)は九龍への怒りのあまり、冷静さを失い仲間の制止も聞かず単独行動を取り始めていた。
一方、雨宮兄弟と合流した琥珀AKIRA)と九十九(青柳翔)は九龍の推し進めるカジノ建設計画とSWORDに隠された秘密を知り……。

 

・感想

『HiGH&LOW THE MOVIE』シリーズ3作目となり、最終章と宣伝された本作を試写会ライブビューイングで鑑賞。


まず見終わってからのざっくりとした感想は「単体作品としての魅力は前2作の方が上だがシリーズファンには間違いなく今作が刺さる」と言う感じでした。

 

否定的な面から最初に語りますが、鑑賞後にそれなりに「おやっ?」と思うところもありました。

 

物語のメインとなるSWORDの面々ですが今作では「山王連合会」と「RUDE BOYS」以外の出番はかなり少なめで、物語はこの2チームを中心に展開していきます。
そして1、2作目では主人公たちに対する敵役として登場した「MIGHTY WARRIORS」に至っては3分以上登場していたかすら怪しい登場時間。
こうなってくると物語内で前作の『HiGH&LOW THE MOVIE 2/END OF SKY』の要素は雨宮兄弟と琥珀周りしか活きてこず、「SWORDの総決算」と言う印象は薄く感じました。

 

他にも、前2作で見どころとなっていたような大乱闘は影を潜め、直接戦闘を行わないチームもいるほどで、アクションとしての格好良いシーンはあるものの前2作の終盤のようなワラワラとした戦闘は余りありません。
更に、最終章と宣伝した(これは宣伝の問題です)割に「カジノ建設計画」が1つの終わりを見せるだけで、断罪されるべきものがほぼ放置されたり、むしろ伏線を新たに張ったりなど「FINAL MISSIONと言いつつも次のミッションもあるよね」感がぬぐえず、前作と同様にサブタイトルは余り関係のない作りになっていました。

 

と、今作を単体作品として見た場合には否定的な面にも目が行くのですが、シリーズファンとしてはとにかく感涙ものの作品でした。

 

否定要素の1つとしてあげた「山王連合会」と「RUDE BOYS」以外の出番は少ないと言う部分に関しては、前作までで作り上げたそれぞれの強烈キャラの印象によって、シリーズを通して観ている人にはそこまで多くの登場シーンを作らなくても物語に関わるのに違和感がなく感じるはずですし、
何よりも、中盤から終盤にかけての展開と、エンディングの演出はファンの精神を否応なしに責め立ててきます。

 

ドラマから始まったこのシリーズは例外は多くあるものの基本的に「山王連合会」の総長、コブラの目線で物語が展開していきますが、個人的にコブラは他のチームのリーダーと違いチームを率いるリーダーとしての「何か」が不足しているように感じていました。
しかし、今作では僕が個人的に感じていたそんな違和感を払拭する答えをコブラ自身が見出そうと奮闘していて、このシリーズでの最終章の意味は僕的には「コブラの成長物語」としての到着点だったように思え、琥珀とのやり取りでは心がかなり動かされたのを覚えています。

 

そんなことコブラさんあんま考えてないでしょwwとバカにしていた「その痛みの先にあるものはなんだ。俺たちは何のために拳を振りかざしていたのか」と言うセリフが大きな意味を持つこの作品。
アクションを期待していたら、他の部分で泣かされかけたのがリアルな感想ですが、シリーズを通してみた上での鑑賞を何よりもオススメしたい作品です。

 

因みに相変わらず愛すべきツッコミどころも多く、ネタバレは出来ないですが「家村会の仕事は雑」と言うワードでツッコミどころを解決出来てしまうこのシリーズのツッコミどころは凄く好きです。