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【映画レビュー】ポッピンQ【50点】

舞台やミュージカルのような展開と王道青春モノなのだが……

ポッピンQ

ポッピンQ

 
・短評

ところどころに良い演出が光るものの、展開が唐突すぎて違和感が多い

 

・あらすじ

部活と望まぬ引っ越しにモヤモヤを抱える中学3年生の小湊伊純(声:瀬戸麻沙美)は卒業式にも参加する気はほとんどなく、両親に反発していた。
しかし、卒業式の日、登校途中に異世界に迷い込んでしまった伊純は同じくこの世界に迷い込んでしまった同年代の少女たちと共に世界を救うために行動することになる……。

 

・感想

2016年に公開された東映アニメーション60周年記念オリジナル長編アニメ。


一部の熱狂的なファンからは恐ろしいほど支持されるが、それ以外の人からはやや低めの評価を受けると言うオリジナルアニメとしてはかなり異様な様相を見せている作品だったので気になって鑑賞することにしました。

 

結論としては、何かこう、色々と惜しいなと思える作品でした。

 

悩みを抱える少女たちが、ある出来事を通して成長していく作品と言えば個人的には『君の声をとどけたい』あたりが記憶に新しいです。
この映画においてもそのジャンルとしての基本展開を押さえ、異世界を救う中で成長していく物語を描いているのですが、それにしても全体的に駆け足感が凄いです。

 

例えば、主人公の伊純は陸上部の大会で思ったような成績を残すことが出来ず、同級生に妬みの感情を向けています。
その思いを見抜かれ、世界を救うアイテムを使えばあの大会をやり直すことが出来るよ、と甘言を受けるのですが、そのことに対してあまり悩むシーンもなく、それどころかその甘言を言ってきた人物が怪しいと分かるや否やあっさりそのこと全員に話します。
そんな風に僕には見えたにも関わらず、主人公は仲間にその出来事を話さなかったことを糾弾され、揉め事のきっかけになってしまいます。
と、本来ならもう少し葛藤のシーンを描写したり、その出来事を秘密にしているようなシーンを描くべき部分が欠けているため、どうしても展開に登場人物が振り回されているようにしか思えず違和感を覚えました。

 

他のキャラに関しても悩みを解消する部分は描写不足で「あっさり立ち直るるなこの子達」と心の中で思わずツッコミを入れてしまうほどでした。

 

しかし、主人公が最終的なコスチュームに変身してからの能力描写であったり、伊純の疾走シーンであったりはそれなりに熱くなり、感情が揺るがされる部分もあったため、尺がもう少し長ければなあ……と惜しく感じてしまう作品でした。