a picture is worth a thousand words

その時思った気になる事を忘れないためにもこういう場所に書いてみたりしちゃいます。

【映画レビュー】LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標【92点】

俺はただ、美味い煙草が吸いたいだけさ

・短評

ハードボイルドと終盤の怒涛の展開が融合したルパン三世シリーズの最高傑作

 

・あらすじ

犯罪の発生率が極端に低い東ドロアに秘宝「リトルコメット」を求め潜入したルパン三世(声:栗田貫一)と次元大介(声:小林清志)。
無事秘宝を入手した2人だったが、想像を超える警察の動きの速さを前に逃走を余儀なくされる中、次元の命を狙う暗殺者ヤエル奥崎(声:広瀬彰勇)に突如襲撃される……。

 

・感想

近年のコメディタッチを中心としたルパン三世像から、より原作に近いハードボイルドかつエロティックな路線を目指す「LUPIN THE IIIRD」シリーズの第2弾。


シリーズの1作目の連続アニメ『LUPIN the Third -峰不二子という女-』はまだ観たことがないのですが、今作の『次元大介の墓標』はとっても大好きで、今までに5回は再鑑賞をしました。

 

このシリーズは流血や生々しい表現も多く、続編である『LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門』では武器が刃物だけに人体欠損描写もあったりします。
しかし、人が死んでいることをしっかりと描写することによって近年のルパン三世の扱いである義賊のようなイメージのある「正義のヒーロー」像から原作により近い「ダークヒーロー」像としてのルパン三世をよりイメージしやすくなっています。

 

前後編構成でそれぞれが30分なため、上映時間はおよそ1時間ととてもあっさりとした雰囲気ですが、内容の濃密さは尋常じゃありません。

 

飄々とした印象ながら凄まじい知力と洞察力を持ち合わせたルパン三世と、とある女性の命を守り切れなかった事に後悔を残すガンマン次元大介のコンビとしての魅力もさることながら、
今作に登場する敵役ヤエル奥崎との攻防、東ドロアに隠された政治的陰謀、峰不二子の救出など僅か1時間にとんでもない量の伏線を敷き詰めた上で、その全てをきっちりと回収しきります。

 

特に今作でスポットの当たる次元大介の魅力は尋常じゃなく、名言や名台詞のオンパレードとなっています。
中でも「俺に言わせりゃ、ロマンが足りねぇな」の一連のセリフは新規作品に厳しいルパン三世のファンの間でも次元大介を代表するセリフとして支持されるほどでしたし、僕も大好きなセリフです。

 

ルパン三世が好きと言う方にはもちろんですが、ルパン三世をほとんど知らない人にもサスペンス作品として充分にオススメできる今作。
NETFLIXでも配信されているので是非是非ご覧になってみてください。