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その時思った気になる事を忘れないためにもこういう場所に書いてみたりしちゃいます。

【映画レビュー】リアル鬼ごっこ【60点】

なかなか豪華なメンツが出そろう異色アクションSF 

リアル鬼ごっこ

リアル鬼ごっこ

 
・短評

設定矛盾は目立つもののパルクールを取り入れたアクションが当時の邦画として異質

 

・あらすじ

全国で佐藤姓の人間が不審死する事件が相次いでいた。
不良の佐藤翼(石田卓也)は幼馴染でありヤクザの小間使いである佐藤洋大東俊介)との抗争中に異世界に飛ばされてしまう。
そこでは、同じような日本で佐藤姓の人のみが命を狙われる「リアル鬼ごっこ」が開催されていて……。

 

・感想

2001年に自費出版として刊行され、「鬼ごっこを題材にしたデスゲーム」と言う設定が10代を中心に話題となり莫大な売れ行きを記録した山田悠介の同名小説を2008年に実写化した作品。
とは言え、今作以降の実写化はドラマ版を除くと「鬼ごっこを題材にしたデスゲーム」部分以外はほとんどオリジナルとなっています。

 

高校生くらいの時分で映画館に観に行った当初は「B級映画w」と内心ちょっとバカにしていたのですが、いま改めて鑑賞すると異質な要素が色々と目につきます。

 

佐藤翼の元いた世界とリアル鬼ごっこが開催される世界にはそれぞれ同じ人間がいて、そのどちらか片方でその人が死亡するともう片方の世界でも何らかの理由で死亡すると言う設定を基準に物語が進んでいきます。
昔はふーんとしか思わなかったこの設定ですが、再鑑賞してみるとなかなかに優秀な設定です。
パラレルワールドと言うかなり説明が難しい内容を簡単に説明出来ていますし、佐藤翼がパラレルワールドで奮闘しなければいけない理由もしっかりと用意出来ていてオリジナル展開の中でもかなり秀逸な設定に感じました。

 

アクション面としては主人公の佐藤翼のアクションにはフリーランニングことパルクールが使われています。
バランスやスピードを重視するパルクールは戦闘よりも移動の手段にこそ向いているものであり、鬼ごっこと言う分野にはこれ以上ないほどに映えます。
しかも、『SP』や『HiGH&LOW』でようやく邦画にも取り入れ始められて来た、と感じたパルクールが今よりも10年ほど前に採用されていることに驚きを隠せませんでした。

 

石田卓也谷村美月大東俊介吹越満柄本明と今観ると俳優陣もとても豪華で最初に観た時と感想が180度変わるようなものでしたが、やはりパラレルワールドと言う設定の難しさからツッコミどころはかなり多いです。


主人公の性格も直情的なバカと言う感じで魅力を多くは感じませんし、細部の設定やキャラの練りこみは荒削りと感じました。

 

しかし、ざっくりと観るにはなかなかの作品で光るものを感じる作品だったのは確かでした。