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その時思った気になる事を忘れないためにもこういう場所に書いてみたりしちゃいます。

【映画レビュー】キング・アーサー【55点】

僕の知らないアーサー王伝説 

・短評

物語はアーサー王を軸に据える必要性を感じないが、ゲーム的な終盤の戦闘描写は一見の価値がある

 

・あらすじ

モルドレッド(ロブ・ナイトン)の反乱を鎮圧し魔術師を追放したイングランド王ユーサー(エリック・バナ)は弟のヴォーティガン(ジュード・ロウ)の反逆により命を落とした。
しかし、小舟で逃がした自身の子アーサー(チャーリー・ハナム)は売春宿の娼婦に拾われ、たくましく育つがヴォーティガンは彼を危険視し……。

 

・感想

後に様々な事情から改題されることになった邦題『キング・アーサー/聖剣無双』が色々な意味で話題となった本作。
「邦題センス無さすぎw」と炎上騒動になり改題されたにも関わらず公開後に鑑賞した人たちが「これは確かに聖剣無双だったわ」と納得してしまったエピソードに興味を持ち鑑賞しました。

 

僕はアーサー王伝説についてそこまで詳しくありません。
小学校時代に「読んだ小説の絵を描く」と言う授業で読んだのが最初で最後であり、後は映画とかでの知識しかなくそれ以上吸収する気も特にありませんした。

ですが、それにしてもアーサー王伝説をもとにしながら今作はやりたい放題にやりすぎています。


家臣の保護により身分を知らずに育った → スラム街の売春宿で過ごした
と言う段階で「おっしゃ、とことんアーサー王の出自を貶めてやろーぜ」感がプンプンしますし、物語が始まった段階でおっさんなのもそこそこ違和感がありました。

 

音楽の使い方も個人的にあまり魅力的に感じず、今作をよりダイジェスト感満載にしてしまった要素に思えてしまいました。
ドンドンドンドドンドドーンみたいな太鼓の音が延々と裏でなる中、物語がとんでもないスピードで進むのでアーサー王伝説を知らない人はアーサー王伝説が何だったのかはほとんど分からないと思います。

 

あ、1つ分かることがありましたね、「エクスカリバーすげえ」ってことです。

 

でも、実はこれこそが今作の異質さを表している部分で、エクスカリバーを使った終盤戦がとにかく他で類をみないようなアクションでした。
登場人物の周りをグルグルと視点が回る「バレットタイム」と早回し、CGを全て駆使し、まるで洋ゲーをそのまま実写化したような面白みのある戦闘が繰り広げられ、
次々と敵をなぎ倒していくアーサーの姿に「これは聖剣無双だわ……」と思わず唸ってしまいます。

 

演技に関しては敵役であるヴォーティガンを演じたジュード・ロウの独り舞台とすら言えるもので、愛する者を殺すことで力を得る悲しみを流石の演技力で演じ切っていました。
ですが、急に終盤モンスターとなりゲーム的戦闘が始まるあたり『キング・オブ・エジプト』と似た空気を感じました。

 

何というか、アーサー王伝説として見なければ、トンでも映画として楽しめたような気がする映画で、終盤の戦闘シーンだけでも一見の価値があります。