【映画レビュー】Death Note【25点】
グロ多め、心理戦無しのデスノート
・短評
観たかったハリウッド版デスノートとはかなり違う
・あらすじ
母を轢き逃げされた学生のライト・ターナー(ナット・ウルフ)は空から落ちてきたノートを拾う。
それは人の名前を書き込むことで自由に人の死を操れるデスノートだった。
その力を使い世界を正すべくライトは殺人を重ねるが世界的な名探偵のL(キース・スタンフィールド)が殺人者の正体に迫り始め…。
・感想
週間少年ジャンプで連載された『デスノート』は自分の思う正義のために犯罪者を裁く主人公の夜神月と犯人を追う名探偵Lの心理戦が面白く話題となった作品。
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- メディア: コミック
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連載当時、僕自身かなりのめり込み、犯罪者を裁く障害になる人間をことごとく殺める月に恐ろしさを感じ、
また、捜査のためならどんなことでもするLに頼もしさを感じたり1話読むごとにドキドキしていました。
2006年に藤原竜也主演に製作された実写版『デスノート』とその続編の『デスノート the Last name』は、
独自の展開を見せつつも原作に沿って話を進め、最後はオリジナルの終わり方をすると言う言葉にしてしまうとチグハグな印象を受けますが、
その練りに練られたラストは一部のファンからは「原作以上の終わり方」とさえ言われ、僕自身大好きな作品でした。
その後、2015年に窪田正孝主演で実写ドラマ化され、主人公の設定がアイドルオタクの一般人の設定にされ話題になりましたが、
あれはあれで、「もしデスノートが一般人に渡ったら」と言う設定の別作品だと思うとそれなりに楽しめたりもしました。
そして、NETFLIX製作でハリウッド映画化された今作。
そもそもアダム・ウィンガードが監督している時点で少し嫌な予感がありました。
彼の監督作で僕が観たことのある作品は『サプライズ』と『ブレア・ウィッチ』の2作のみ。
前者は中盤から独自の展開が新鮮なスリラー映画で後者は個人的にあまり好きではなかったホラー映画です。
「もしデスノートが単なるスリラー映画にされてたらどうしよう」なんて思いでいたりしたのですが、その予感はまあまあ当たってました。
開始数十分から人の頭が飛び、まるで『ファイナル・ディスティネーション』を観ているかのような奇抜な死に方で「違う、そうじゃないんだよ…」と悲しみの心が増え始めました。
その後も、主人公がデスノートを拾った翌日にあまり親しくない同級生の女の子にデスノートの秘密をあっさり話してしまう理解できない展開が始まり、違和感はどんどん増えます。
主人公が原作と同じ天才である必要はないとは思いますが、普通の人間でも取らない頭の悪い行動を心理戦がメインの作品で平然と見せられるとびっくりします。
しかし、この映画はその後も心理戦と言うものは一切出てきません。
Lが登場し、緻密な推理でキラを特定する流れと、黒人のキース・スタンフィールドの甘いものが好きな様子とどことなく感じる可愛らしさが良く「この映画はここから変わるな」と姿勢を正しましたが、
このLはとある事象が起きるとすぐに考えることをやめ感情に身を任せ、銃を片手にライトを走って追いかけます。
待て待て待て、僕が観たいのは割と長いチェイスシーンのあるデスノートじゃなくて心理戦なんだ!
そのあたりから僕の心はデスノートにやられ、そこから先に何か良いシーンがあったような気もしましたがあまり覚えてません。
画面の雰囲気や先ほど言ったキース版のLの演技は好みで大変に惜しい作品だったと思います。
しかし、あくまでも僕個人の感想なので、気になった方は是非ご覧になってください。