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その時思った気になる事を忘れないためにもこういう場所に書いてみたりしちゃいます。

【映画レビュー】ガールズ&パンツァー 劇場版【85点】

全キャラが活きている劇場版としての成功作 

・短評

多すぎる既存キャラの1人1人の魅力を引き出せている恐るべき劇場版

 

・あらすじ

廃校を阻止するために大会での優勝を勝ち取った大洗女子学園、しかしその約束は一方的に反故され廃校が決定してしまう。

再び廃校を阻止するため動き、新たな約定を取り決める生徒会長だったが、その条件はプロ入りが確定しているとさえ言われる大学選抜チームに勝つことで……。

 

・感想

専門家を雇い徹底的に戦車のディテールにこだわり、戦車道と言う架空のスポーツを題材に王道の青春路線を描き人気を集めたアニメ『ガールズ&パンツァー』。

 

劇場版がとにかく良いから!と映画好きの知り合いに言われ昨年、テレビシリーズの復習をした後に立川シネマシティで行われた爆音上映に知り合いと一緒に観に行きました。

 

見始めた最初の感想は「座席が揺れるほどの発砲音ヤバい」と言う爆音上映への感想がメインでしたが、

観進めるほどに、この映画の「劇場版作品」としての秀逸さが分かってきました。

 

この作品、とにかく登場人物の数が多いです。

スマホで記事を書いていて全キャラを数えるのが面倒なので適当ですが、戦闘に参加する名前がある人物だけで30人弱はおり、それぞれがあざとすぎる程の個性を持っています。

こう言った人物の多い作品は「劇場版作品」となった時、影が薄かったりもはや出てきさえしない「死にキャラ」が発生する場合がとにかく多いのですが、今作ではそう言うことがありません。

逆にほぼ全てのキャラクターに具体的にどのシーンかを言えるくらいの見せ場的なシーンがあり、どのキャラが好きでも映画を観て満足できるような内容になっています。

 

もちろん、物語展開としても秀逸で、テレビシリーズで敵として戦ってきた相手たちが揃う展開は熱いですし、

今までよりも強大かつ絶望的な敵の演出も見事で戦闘シーンはテレビシリーズとは比較にならないほど面白いものになっています。

 

いかなる逆境にも決して挫けず、的確な判断を下せる主人公西住みほを始め、不快なキャラも一切登場しない娯楽型「劇場版作品」としての魅力が詰まった作品です。

 

年末に公開される『ガールズ&パンツァー 最終章 第1話』の予習として感想を書かせていただきました。

【映画レビュー】ブレードランナー 2049【80点】

前衛芸術を観ているかのような163分

The Art and Soul of Blade Runner 2049

The Art and Soul of Blade Runner 2049

 
・短評

長い上映時間を感じさせない没入感を味わえるか、寝るかの2択映画

 

・あらすじ

人間に忠を尽くすように設計された新式レプリカントの発明によって反乱を繰り返し起こした旧式のレプリカントは駆除の運命にあった。

レプリカントを狩る仕事に就く捜査官K(ライアン・ゴズリング)はある日、レプリカントが子供を産んだ痕跡を見つける……。

 

・感想

前作『ブレードランナー』から35年の月日が経ち公開された続編。

前作の主人公であるハリソン・フォード演じるデッカードが登場することで製作の段階から話題となっていました。

 

しかし、前作の記事内でも言及した通り、前作はまさに様々な要素を創造した名作中の名作。

【映画レビュー】ブレードランナー ファイナルカット【90点】 - a picture is worth a thousand words

それだけに続編と言うのは楽しみな反面、いまいちな出来を見せられると過去作まで汚されたようでがっかりしてしまいかねません。

そのため、かなりドキドキしながら映画館に足を運ぶことになりました。

 

そして、映画を見て最初に感じたことは、この映画は前作を好きな人以外にオススメはし難いが間違いのない名作だと感じました。

 

この映画を一言で言い表すならば「意識の高い映画」で間違いないと思います。

もちろん良い意味での話ですが、オレンジや赤、そして前作同様青のような濃い色を前面に押し出した映像と、間を長く使ったワンカットワンカットが視覚効果として強く頭に残り、

この映画の映像作品としての異質さが際立ちます。

 

ただ、それ故に合う合わないははっきり出ます。

予告を観て「お、派手で面白そーじゃん」と思った方、残念ですがこの映画はオススメ出来ません。

 

確かに前作に比べ派手なシーンも多くあります。

ですが、そのシーンは全体の1割未満で、多くは1人のレプリカントによる「自分探しの旅」に当てられます。

そのためか僕の隣の隣の方はイビキをかきながら寝ていましたし眠くなったと言う話も良く聞きます。

 

単に公式ホームページで公開されている前日譚を観ていないからなのかは分かりませんが、

前作と同様に劇中で語られない部分も多く深い考察のしがいがあります。

 

ネタバレになってしまうので詳しく語ることは出来ないのですが、僕が一番気になっているのは「誰がとある人物に記憶を埋め込んだのか」と言うか部分です。

映画内の人物たちが思うよりも早く自体の変革は進み始めてるのではないかと妄想させてくれます。

 

やや続編を作りたい欲を見せつけられるのはなんとも言えませんが、唯一無二の作品であることは間違いありません。

【休息3】本日もブログをお休みします

昨日は『ブレードランナー 2049』を観に行ったのですが、昼すぎまで寝ていたためブログを書く時間がありませんでした。

 

え、それなら昼から起きて書けば良くね?と思った方もいるでしょう。

 

グダグダしてたらこの時間だったのです!

 

ごめんなさい、明日こそブレードランナーの記事を書きます…

 

なのでお詫びとして最近食べたラーメンの画像を貼っておきます。

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【休息2】本日もブログの更新をお休みします

本当に、本当に申し訳ありません。

謝ることしか今の僕には出来ません……。

 

だって…だって映画を観ていないんだもん…。

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ジュースでも作って明日こそ更新します…。

 

【映画レビュー】斉木楠雄のΨ難【65点】

俳優陣の楽しそうな雰囲気が伝わるギャグ映画 

映画ノベライズ 斉木楠雄のΨ難 (JUMP j BOOKS)

映画ノベライズ 斉木楠雄のΨ難 (JUMP j BOOKS)

 
・短評

大きな笑いは起きないものの退屈はしない90分

 

・あらすじ

全知全能の超能力者、斉木楠雄(山崎賢人)の楽しみは文化祭の日に文化祭をサボり日帰り旅行に行くこと。
しかし、今年の文化祭で問題が起こると来年からは文化祭が取りやめになると知った斉木は文化祭の日に起こる問題を阻止するべく動く。
文化祭の日、斉木の望みとは違いそこかしこで問題の火種がくすぶり始め……。

 

・感想

勇者ヨシヒコシリーズで有名な福田雄一監督による人気ギャグ漫画の実写化作品。


まず僕はこの原作のファンと言うわけではありません。ジャンプを読む際には読むくらいの頻度でしか読まないのでこの漫画の詳しい登場人物についてはあまり知らなと言うのが現状です。
ですが、この作品に勇者ヨシヒコシリーズと同じ感覚を嗅ぎ取ったので映画館まで足を運んでみました。

 

福田雄一監督と言えば今年同じジャンプ系列のギャグ漫画『銀魂』を原作の雰囲気そのままで再現していましたが、
同じ実写化でも今作はどちらかと言えば勇者ヨシヒコ似なのではないか、と感じました。

 

オープニングもテイストが似ていたり、どこかで見たような俳優が使われていたり(犬の散歩中の女性をナンパする奴ってヨシヒコのポンジですよね?)、独特の間を使ったギャグパートは福田監督の十八番と言えます。


映画全体の雰囲気としても勇者ヨシヒコを90分観ているような感覚で、大きな笑いは起きないものの終始ニヤニヤしてしまいました。

 

その思わずニヤついてしまう大きな要素の一つは、俳優たちがどれも楽しそうなことでした。

自分の美貌を自覚する照橋と主人公の斉木楠雄のシーンは特に橋本環奈と山崎賢人の顔芸合戦であり、特に山崎賢人の演技の幅の広さに驚嘆するとともに、無理矢理やらされてる感の薄い楽しそうな演技になごみます。


正直『ジョジョの奇妙な冒険』や『氷菓』など、僕の好きな作品の実写化で次々と主演を勤める山崎賢人が昔の綾野剛同様何となく嫌いだったのですが、出演作を観れば観るほど好きになってしまうので、山崎賢人の実力は確かなものなのでしょう。橋本環奈は可愛いです(適当)。

 

僕が今作でもう一人好きになった俳優がいます。


それは賀来賢人です。

 

『Nのために』で嫌いだった安藤を演じていたのが一番の気に入らない理由だったのですが、今作で一気に好きになりました。
彼の演じた窪谷須は、優等生になろうとしている元超ヤンキー(別名:殺戮兵器)なのですが、事あるごとにヤンキーの地が騒ぎ出します。
その時の賀来賢人の顔が狂気的で、あの顔を観るだけでもはや少し笑えます。

 

そんなわけで顔芸とかがとにかく多い作品なのですが、退屈せず90分の間楽しめました。

【映画レビュー】ブレードランナー ファイナルカット【90点】

高画質で楽しむ、サイバーパンクの金字塔

・短評

万人受けはしないが世界観や考察の余地を残しながらも切ない物語で文句なしの名作

 

・あらすじ

2019年、宇宙開拓を続ける人類はレプリカントと呼ばれる人造人間を奴隷のように酷使し、荒廃する地球からの脱却を図っていた。
しかし、一部の感情が芽生えたレプリカントが人間を殺害後、脱走し地球へと潜伏。
人間に反旗を翻したレプリカントを狩る専門捜査官ブレードランナーデッカードハリソン・フォード)が潜伏した4人のレプリカントを狩るため呼び出される……。

 

・感想

今作は1982年に公開された『ブレードランナー』を監督であるリドリー・スコット自身が2007年に再編集した25周年記念バージョンです。
35年の月日が経ち『ラ・ラ・ランド』のライアン・ゴズリングを主演に迎え、ハリソン・フォードが同役を演じた続編『ブレードランナー2049』の公開が今週末に控えたので再鑑賞しました。

 

まず再鑑賞して感じたことですが、25周年記念の再編集版であるファイナルカットではデジタルでの画質のブラッシュアップと高画質での特撮シーンを採用しているため、35年前の映像なのにも関わらずとてつもなく綺麗です。
ファイナルカット自体もブルーレイを購入しているため、幾度となく鑑賞しているのですがやはり観るたびに世界観と高画質の融合に驚かされます。

 

この映画は世界観がとにかく独特で、今よりも技術が進んだ未来を描いているにも関わらず今よりも退廃的で荒廃的な街並みを持つ、いわゆる「サイバーパンク」と言う世界観の原型になった作品とすら言われています。
詳しく調べたことはないですが、夜景をバックに高層ビルが立ち並び、排煙を垂れ流す煙突がそこかしこに並ぶ様子は間違いなく『FINAL FANTASY VII』や『イノセンス』が参考にしているだろうと感じました。

 

当時、SFと言う宣伝から派手なアクションや同時期に公開された『E.T.』のような作品を求めた人たちへの評判が悪く、興行収入自体もかなり悪いものでした。

確かに、物語自体はかなり地味です。

 

レプリカントを狩るブレードランナーが主人公なので、派手なアクションを期待してしまいますが、終盤に少し戦闘シーンがあるのみでその他では主人公はほとんど戦闘をしません。


どちらかと言えば、この物語の主軸はレプリカントと言う「人が奴隷のように使うために生み出した感情を持つ機械」が人の安全を守るために4年と言う短い寿命を与えられたことに対し、生を感じ怒りや悲しみを覚える哲学的な内容なのです。

 

「全ての記憶は時が来れば失われる。雨の中の涙のように」


ルトガー・ハウアー演じる脱走したレプリカントの放つ言葉は(実はアドリブなのですが)この映画の骨子とも言える「命の意味について」が問いかけられているようで心に響いてきました。

 

ハリソン・フォード演じるデッカードの正体についての考察などこの映画には面白い部分がいくらでもあるのですが、全てを語りきるのが難しいので今回はこのくらいにしておきます。
とにかく、今週末の『ブレードランナー2049』が楽しみで仕方ありません。