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その時思った気になる事を忘れないためにもこういう場所に書いてみたりしちゃいます。

【海外ドラマ】BLACK MIRROR シーズン1 第2話「1500万メリット(15 Million Merits)」

何もかもが完全に管理された世界、「本物」を求める青年の反抗の先は……

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・あらすじ

近未来、人々の暮らしは技術の進歩により驚くほどの変貌を遂げ、人々の労働と言えば日々の生活を潤わせる機械の動力をエアロバイクで一日中生産すると言う単調なものだった。
亡くなった兄から1500万ものポイント(半年の労働相当)を受け継いだビングは変わり映えの無い毎日に飽き飽きとしていた。
しかし、ある日トイレでのちょっとした出来事からアビと言う女性の歌声に心を動かされたビングはオーディションへの参加券を彼女のために購入する……。

 

・短評

昨日に引き続き、海外SFドラマ『BLACK MIRROR』の感想です。
第2話は、現代が舞台で進んだ技術もほとんど登場しなかった前話とは打って変わって進んだ技術のなか、娯楽も何もかもを管理される未来、俗に言う「ディストピア」が舞台となっていました。

 

この『BLACK MIRROR』、やはり凄いドラマです。
第1話では現代を舞台に今も巷に溢れている人間の下劣さを描き、自分たちの危うさを鑑賞者に嫌と言うほど見せつけてきたのですが、
第2話では完全なシステムを手に入れても変わることのない人間性を、日々の暮らしに飽き飽きとする黒人青年の目から訴えかけてきました。

 

今回の設定で秀逸だと思ったのは「太った人たちの扱い」です。

 

詳しい説明はないのですが、今回の世界観では、恐らく一部の富豪層や娯楽を提供する人以外の人の仕事は「エアロバイクで電力を発電すること」です。
そのため体力の問題や日々の食事の影響で太ってしまい、エアロバイクをこげなくなってしまった人はゴミ拾いをさせられたり、有料で配信されているテレビで水浴びせられ服を破られ笑いものにされたり、システムが配信しているゲームで殺される役となったりとシステム公認で虐げられます。
労働の出来ない人間は虐げられ、労働者であっても一部の富裕層以外は得をしない、完全なシステム管理の世界でありながら理想郷とは言えない社会の構造が設定1つで分かる秀逸なものでした。

 

物語展開としては完全管理の世界に違和感を覚える青年がある女性とのやりとりを経て世界に反抗する、と言うディストピアを描いた映画にはいくらでもあるような設定なのですが、

その見せ方が明らかに他の映画と違っていて、先に記載したように1つ1つの要素が綺麗な世界の下劣さを演出していたり、

「主人公のとある判断」は明らかに間違っているのにその判断を後押ししたくなったりととにかく感情移入のさせ方が圧倒的に上手いのです。

 

シーズン1は次の回で最終章。

正直言って胸糞悪くなるような展開ばかりなのですが、最終章がかなり楽しみです。