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その時思った気になる事を忘れないためにもこういう場所に書いてみたりしちゃいます。

【海外ドラマ】LUCIFER シーズン2

母の登場とクロエの過去がルシファーの心を追い詰める

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・短評

シーズンを通して一本の本筋を追いながらシリーズの定番である形も崩さない、さらに参加したセカンドシーズン

 

・あらすじ

アメナディエル(D・B・ウッドサイド)の不在を突き、地獄に幽閉されていた母が脱走した。

間違いなく危険な存在である母の人間界への脱走に焦るルシファー(トム・エリス)だったが、意外にも母はあっさりと見つかることになる、殺人現場で。

一方、子育てと夫との関係に悩むクロエ(ローレン・ジャーマン)は家族との関係にある決断をし……。

 

・感想

以前に紹介させていただいた、ジェリー・ブラッカイマーが手がける異色の刑事ドラマ『LUCIFER』の第2シーズン。

【海外ドラマ】LUCIFER シーズン1 - a picture is worth a thousand words

 

今シーズンでは人間界にやってきた母親との攻防(?)とそれぞれの成長が18エピソードに渡って描かれていて、ルシファーとクロエ以外にもアメナディエル、メイズ、ダンなどと言ったレギュラー陣にもスポットが当たります。

 

しかし、やはり僕もファーストシーズンを2回も観ているだけあって、セカンドシーズンから出てくる新キャラに抵抗感がありました。

主な新レギュラーは人間の女性の身体で現世に舞い降りた母親のシャーロットと、分析の専門家としてクロエの捜査チームに加わるエラの2人ですが、この2人、とにかくめちゃくちゃに今作の面白さを引き出す存在になっていました。

 

まず、今シーズンの肝となるルシファーの母シャーロットですが、人間の命をなんとも思っていない天界の人物らしい冷血な性格に反して、家族の絆を何よりも大事にする母としての性格を持ち合わせています。

そのため、何が何でも人間界にいる家族とともに天国へ行くために、場をかき乱しルシファーを混乱の渦中へと誘う物語のトリックスター的を果たしているため、シャーロットの一挙一動からとにかく目が離せません。

善なのか悪なのかが掴めずコロコロとやることの変わる母と、自分の存在の意味に悩むアメナディエル、そして人間界こそ自分の居場所だと確信したルシファーなどの人外の人物の心情が母の登場でスポットを当てられることになったのも楽しい部分です。

 

一方で、もう1人の新キャラである分析官のエラは物語に直接関わってくる回はかなり少ないです。

ですが、信心深いが元ワルだったり、実写なのに顔の動きがピクサー作品のようであったり、どこかつかみ所のない飄々として性格だったり、と物語に明るさと和みを注入してくれるキャラで、彼女の登場シーンを挟むことで不思議と安心感が生まれます。

他キャラとの掛け合いも最高なキャラなので自分の中では既にこの作品になくてはならないキャラの1人になっています。

 

いくらでも語りたいことはあるのですが、今回はこの程度にしておきます。

母とのやり取りがメインになるシーズンではありますが、前シーズンと同様に事件を追う刑事ドラマとしての魅力も失っていないセカンドシーズンなので、ファーストシーズンを見た方は是非そのままセカンドシーズンをご覧になってください。

 

最新シーズンが待ちきれないです……。

えっ、ブルーレイが出るのは来年?

辛い……。

【映画レビュー】マイティ・ソー バトルロイヤル【85点】

アスガルドの真の王は誰なのか

・短評

気の抜けるようなギャグシーンをちょこちょこ挟むことにより最初から最後まで楽しめる良作

 

・あらすじ

オーディンアンソニー・ホプキンス)の娘である死の女神ヘラ(ケイト・ブランシェット)がアスガルドへと舞い戻った。

力と恐怖でその侵略を他国にまで広げようとするヘラを止めるため、同じくオーディンの息子であるソー(クリス・ヘムズワース)とロキ(トム・ヒドルストン)が動き出すが、その力の差は圧倒的で……。

 

・感想

MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の17作目にあたり、ソーを主人公にした作品の3作目となる本作。

 

あまり、前2作が面白く感じなかったことと、邦題にセンスを感じなかったことで期待値の下がっていた本作ですが、

劇場で鑑賞してみると、2時間ちょいの間一切退屈なシーンのないエンタメ映画として秀逸な完成度の作品でした。

 

物語自体はシンプルかつよく見る展開なのですが、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』と同様にキャラクター自体が非常に立っているため、シンプルな物語展開の中でキャラクターを動かしているだけで充分に面白く感じます。

ソーの神の尊厳をあまり感じない間の抜けた雰囲気や、ロキの歪んだ家族への愛情とその見せ方、そしてハルクの『アベンジャーズ』の頃から変わった性格など、キャラ自身とその掛け合い自体が面白いので、複雑な物語じゃない分、そのキャラ性をじっくりと堪能することが出来ました。

 

そしてこちらも『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』と似ている部分ではあるのですが、前2作のようなシリアス多めの展開や、ナタリー・ポートマンをヒロインにした恋愛路線から外れ、

シリアスなシーンでもギャグをそこかしこに入れることで気を張りすぎた展開が続き退屈に思う、と言ったことを回避しています。

 

今回が初登場となるケイト・ブランシェット演じる死の女神ヘラや、アスガルドの戦士でありながらヘラに従うカール・アーバン演じる(スタッフロールで気がつきました)スカージも魅力的で、彼女らの心情の変化も映画の見どころのひとつです。

 

逆に映画の要素としては面白かったものの、今後の展開が不安になってしまうほど今作ではソーシリーズ内での大変革を起こしており、

今までのシリーズの定番だった部分を容赦なく切り捨てて来ます。

来年にはシリーズの総決算作品である『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』も公開されるので、今後の展開が楽しみで仕方ありません!

【映画レビュー】サクラダリセット 後篇【50点】

完結編にしては地味な内容

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・短評

全体的な雰囲気が合わなかったが及川光博は良かった

 

・あらすじ

2年前に死んだ同級生を能力を駆使し、助けることに成功した浅井ケイ(野村周平)。

しかし、咲良田の街から能力を消し去ることを目指す浦地正宗(及川光博)が街に現れ…。

 

・感想

【映画レビュー】サクラダリセット 前篇【60点】 - a picture is worth a thousand words

以前の記事でも紹介させていただいた同名小説の実写化作品の後編。

相変わらず原作もアニメも見ていないため、原作との変更点における良し悪しについては語ることが出来ません。

 

僕が後編を見て感じたのは「やっぱりこの作品は合わないなー」と言うことでした。

 

ブコメが中心なのは良いんです。

元からティーン向けの映画ですし、そこに文句をつけるのは「じゃあ、見なきゃ良いじゃん」の一言で済ますことが出来ます。

ですが、今作では肝心の能力ものや人間ドラマとしての部分もイマイチ面白味を感じることが出来ませんでした。

 

まず、能力ものとしての今作ですが、いかんせん地味なのです。

前作のようにリセットを多用するわけでもなく、戦闘系の能力が出て来るわけでもなく、今回のほとんどの能力者が記憶を操ったりと目に見えない能力ばかり。

後編になり、恐ろしい能力者が出てくると思っていたのであまりの地味さにびっくりしました。

 

そして人間ドラマとしてですが、主人公たちの行動に感情移入が出来ず、こちらもイマイチ。

咲良田から能力を消そうとする浦地との策の見せ合いがメインではありますが、そもそも浦地の目指す未来があまり悪いもののように思えませんし、むしろ主人公たちの反乱で何人か屋上から落ちたりしてる分、どっちもどっち感が絶えません。

騙し合いや主人公の策自身も、たまに「おおっ」となる部分はありますが、前編と同様に相変わらず人の感情まかせな面が目につきますし、何とも言えない感想でした。

 

しかし、俳優の面において浦地を演じる及川光博の登場と彼らしい演技により魅力は増え、様々な疑問を思いつつも最後までそれなりに楽しむことはできました。

 

全体的に舞台っぽい演技や、人物が画面外にいる時の声の響き具合と言い自分には合わない作品だなと思いましたが、

純粋に自分に合わないだけで、観る人によっては好きな作品だろうなとも思いました。

【映画レビュー】HiGH&LOW THE MOVIE 3 FINAL MISSION【85点】

ファン大感謝祭

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・短評

ご新規さんにはオススメしにくいが、シリーズを追ってきたファンにはたまらない作品

 

・あらすじ

最大の暴力団、九龍グループとの本格的な抗争が始まり、壊滅状態に追い込まれたSWORD。
山王連合会の総長コブラ(岩田剛典)は九龍への怒りのあまり、冷静さを失い仲間の制止も聞かず単独行動を取り始めていた。
一方、雨宮兄弟と合流した琥珀AKIRA)と九十九(青柳翔)は九龍の推し進めるカジノ建設計画とSWORDに隠された秘密を知り……。

 

・感想

『HiGH&LOW THE MOVIE』シリーズ3作目となり、最終章と宣伝された本作を試写会ライブビューイングで鑑賞。


まず見終わってからのざっくりとした感想は「単体作品としての魅力は前2作の方が上だがシリーズファンには間違いなく今作が刺さる」と言う感じでした。

 

否定的な面から最初に語りますが、鑑賞後にそれなりに「おやっ?」と思うところもありました。

 

物語のメインとなるSWORDの面々ですが今作では「山王連合会」と「RUDE BOYS」以外の出番はかなり少なめで、物語はこの2チームを中心に展開していきます。
そして1、2作目では主人公たちに対する敵役として登場した「MIGHTY WARRIORS」に至っては3分以上登場していたかすら怪しい登場時間。
こうなってくると物語内で前作の『HiGH&LOW THE MOVIE 2/END OF SKY』の要素は雨宮兄弟と琥珀周りしか活きてこず、「SWORDの総決算」と言う印象は薄く感じました。

 

他にも、前2作で見どころとなっていたような大乱闘は影を潜め、直接戦闘を行わないチームもいるほどで、アクションとしての格好良いシーンはあるものの前2作の終盤のようなワラワラとした戦闘は余りありません。
更に、最終章と宣伝した(これは宣伝の問題です)割に「カジノ建設計画」が1つの終わりを見せるだけで、断罪されるべきものがほぼ放置されたり、むしろ伏線を新たに張ったりなど「FINAL MISSIONと言いつつも次のミッションもあるよね」感がぬぐえず、前作と同様にサブタイトルは余り関係のない作りになっていました。

 

と、今作を単体作品として見た場合には否定的な面にも目が行くのですが、シリーズファンとしてはとにかく感涙ものの作品でした。

 

否定要素の1つとしてあげた「山王連合会」と「RUDE BOYS」以外の出番は少ないと言う部分に関しては、前作までで作り上げたそれぞれの強烈キャラの印象によって、シリーズを通して観ている人にはそこまで多くの登場シーンを作らなくても物語に関わるのに違和感がなく感じるはずですし、
何よりも、中盤から終盤にかけての展開と、エンディングの演出はファンの精神を否応なしに責め立ててきます。

 

ドラマから始まったこのシリーズは例外は多くあるものの基本的に「山王連合会」の総長、コブラの目線で物語が展開していきますが、個人的にコブラは他のチームのリーダーと違いチームを率いるリーダーとしての「何か」が不足しているように感じていました。
しかし、今作では僕が個人的に感じていたそんな違和感を払拭する答えをコブラ自身が見出そうと奮闘していて、このシリーズでの最終章の意味は僕的には「コブラの成長物語」としての到着点だったように思え、琥珀とのやり取りでは心がかなり動かされたのを覚えています。

 

そんなことコブラさんあんま考えてないでしょwwとバカにしていた「その痛みの先にあるものはなんだ。俺たちは何のために拳を振りかざしていたのか」と言うセリフが大きな意味を持つこの作品。
アクションを期待していたら、他の部分で泣かされかけたのがリアルな感想ですが、シリーズを通してみた上での鑑賞を何よりもオススメしたい作品です。

 

因みに相変わらず愛すべきツッコミどころも多く、ネタバレは出来ないですが「家村会の仕事は雑」と言うワードでツッコミどころを解決出来てしまうこのシリーズのツッコミどころは凄く好きです。

【映画レビュー】ガールズ&パンツァー 劇場版【85点】

全キャラが活きている劇場版としての成功作 

・短評

多すぎる既存キャラの1人1人の魅力を引き出せている恐るべき劇場版

 

・あらすじ

廃校を阻止するために大会での優勝を勝ち取った大洗女子学園、しかしその約束は一方的に反故され廃校が決定してしまう。

再び廃校を阻止するため動き、新たな約定を取り決める生徒会長だったが、その条件はプロ入りが確定しているとさえ言われる大学選抜チームに勝つことで……。

 

・感想

専門家を雇い徹底的に戦車のディテールにこだわり、戦車道と言う架空のスポーツを題材に王道の青春路線を描き人気を集めたアニメ『ガールズ&パンツァー』。

 

劇場版がとにかく良いから!と映画好きの知り合いに言われ昨年、テレビシリーズの復習をした後に立川シネマシティで行われた爆音上映に知り合いと一緒に観に行きました。

 

見始めた最初の感想は「座席が揺れるほどの発砲音ヤバい」と言う爆音上映への感想がメインでしたが、

観進めるほどに、この映画の「劇場版作品」としての秀逸さが分かってきました。

 

この作品、とにかく登場人物の数が多いです。

スマホで記事を書いていて全キャラを数えるのが面倒なので適当ですが、戦闘に参加する名前がある人物だけで30人弱はおり、それぞれがあざとすぎる程の個性を持っています。

こう言った人物の多い作品は「劇場版作品」となった時、影が薄かったりもはや出てきさえしない「死にキャラ」が発生する場合がとにかく多いのですが、今作ではそう言うことがありません。

逆にほぼ全てのキャラクターに具体的にどのシーンかを言えるくらいの見せ場的なシーンがあり、どのキャラが好きでも映画を観て満足できるような内容になっています。

 

もちろん、物語展開としても秀逸で、テレビシリーズで敵として戦ってきた相手たちが揃う展開は熱いですし、

今までよりも強大かつ絶望的な敵の演出も見事で戦闘シーンはテレビシリーズとは比較にならないほど面白いものになっています。

 

いかなる逆境にも決して挫けず、的確な判断を下せる主人公西住みほを始め、不快なキャラも一切登場しない娯楽型「劇場版作品」としての魅力が詰まった作品です。

 

年末に公開される『ガールズ&パンツァー 最終章 第1話』の予習として感想を書かせていただきました。

【映画レビュー】ブレードランナー 2049【80点】

前衛芸術を観ているかのような163分

The Art and Soul of Blade Runner 2049

The Art and Soul of Blade Runner 2049

 
・短評

長い上映時間を感じさせない没入感を味わえるか、寝るかの2択映画

 

・あらすじ

人間に忠を尽くすように設計された新式レプリカントの発明によって反乱を繰り返し起こした旧式のレプリカントは駆除の運命にあった。

レプリカントを狩る仕事に就く捜査官K(ライアン・ゴズリング)はある日、レプリカントが子供を産んだ痕跡を見つける……。

 

・感想

前作『ブレードランナー』から35年の月日が経ち公開された続編。

前作の主人公であるハリソン・フォード演じるデッカードが登場することで製作の段階から話題となっていました。

 

しかし、前作の記事内でも言及した通り、前作はまさに様々な要素を創造した名作中の名作。

【映画レビュー】ブレードランナー ファイナルカット【90点】 - a picture is worth a thousand words

それだけに続編と言うのは楽しみな反面、いまいちな出来を見せられると過去作まで汚されたようでがっかりしてしまいかねません。

そのため、かなりドキドキしながら映画館に足を運ぶことになりました。

 

そして、映画を見て最初に感じたことは、この映画は前作を好きな人以外にオススメはし難いが間違いのない名作だと感じました。

 

この映画を一言で言い表すならば「意識の高い映画」で間違いないと思います。

もちろん良い意味での話ですが、オレンジや赤、そして前作同様青のような濃い色を前面に押し出した映像と、間を長く使ったワンカットワンカットが視覚効果として強く頭に残り、

この映画の映像作品としての異質さが際立ちます。

 

ただ、それ故に合う合わないははっきり出ます。

予告を観て「お、派手で面白そーじゃん」と思った方、残念ですがこの映画はオススメ出来ません。

 

確かに前作に比べ派手なシーンも多くあります。

ですが、そのシーンは全体の1割未満で、多くは1人のレプリカントによる「自分探しの旅」に当てられます。

そのためか僕の隣の隣の方はイビキをかきながら寝ていましたし眠くなったと言う話も良く聞きます。

 

単に公式ホームページで公開されている前日譚を観ていないからなのかは分かりませんが、

前作と同様に劇中で語られない部分も多く深い考察のしがいがあります。

 

ネタバレになってしまうので詳しく語ることは出来ないのですが、僕が一番気になっているのは「誰がとある人物に記憶を埋め込んだのか」と言うか部分です。

映画内の人物たちが思うよりも早く自体の変革は進み始めてるのではないかと妄想させてくれます。

 

やや続編を作りたい欲を見せつけられるのはなんとも言えませんが、唯一無二の作品であることは間違いありません。