【映画レビュー】亜人【70点】
実写化であることが疎ましく思えるほどのアクション
・短評
綾野剛のアクションのクオリティが邦画レベルじゃないほどの格好良さ
・あらすじ
死ぬことで完全な姿にリセットされる不死身の新人類、亜人。
轢死したことで亜人だと分かり、政府に囚われ残虐な人体実験を受ける永井(佐藤健)は亜人の佐藤(綾野剛)に助け出される。
しかし、佐藤の残忍な性格を知った永井は佐藤に反旗を翻す……。
・感想
桜井画門による同名漫画を佐藤健と綾野剛主演で実写化した作品。
叩かれないように先に言っておきますが、僕は原作及びアニメを見たことも読んだこともありません。
ただ何となく予告編で面白そうだと思ったので映画館に足を運んだのですが、これがなかなかに興奮できるものでした。
映画が始まり、簡単な説明が入ると早々に綾野剛演じる佐藤による銃撃戦が始まりますがこの銃撃戦がとにかく凄いです。
キアヌ・リーヴス主演で話題となった僕も大好きなガンアクション映画『ジョン・ウィック』を彷彿させる綾野剛の動きを初っ端から見せられテンション上昇。
その後も、特に解説なくそれなりに戦闘力のある佐藤健が綾野剛と戦うシーンとなり、「凄いなこの邦画、まさかずっと戦いっぱなしか?」と感じました。
しかし、黒い幽霊が出てきてから「あれ?これなんか思ってたのと違うぞ」となり始めたのを覚えています。
黒い幽霊とは亜人が出すことの出来る使い魔のようなもので亜人にしか見えることは出来ませんが、攻撃も防御もこなす自身の分身のようなものでジョジョの奇妙な冒険で言う「スタンド」です。
この黒い幽霊を主人公が出すことが出来てからは戦闘がCGで描かれる黒い幽霊戦がメインとなり、せっかくの主演2人の良い動きが活かされない生殺しのような状態が続きます。
アクションがメインなためか、物語は大幅にカットされていそうなので何とも言えません。
政府から身を隠す亜人物と言えば今年実写版が公開された『東京喰種』あたりとも色々と被ってそうな雰囲気もありましたし、物語は特にこれといった感想はわきませんでした。
その後もSAT戦であったりととにかく銃撃戦や肉弾戦の動きは格好良いのですが「なぜ黒い幽霊を使わないんだろう」との疑問が頭にチラついたり、
AKB48の川栄李奈や城田優の動きも良い部分を感じただけに、原作の要素に引っ張られてしまうのは少しもったいないと感じてしまいました。
ただ、終盤の佐藤健と綾野剛の戦闘シーンで黒い幽霊と本体が別々に戦闘を行うシーンであったり、川栄李奈の黒い幽霊の足を軸に滑るシーンなどは正直格好良いと感じたので、黒い幽霊も上手くアクションの質に加われば更に名作になったのに…と色々思う映画でした。