HiGH&LOW THE MOVIE ノーカット版【今更感想】
公開日前に試写会とライブビューイングを行いまくる公式に恐れおののいていますがついに『HiGH&LOW THE MOVIE 3/FINAL MISSION』の公開日が目前に迫りました。
そんなわけで今回は6月14日から9月10日までよみうりランドで開催されていた「HiGH&LOW THE LAND」で土日祝限定で上映された『HiGH&LOW THE MOVIE』のノーカット版についての感想をいまさら書かせていただきます。
よみうりランドで行われた「HiGH&LOW THE LAND」ですが、一言で言えばとても楽しかったです。
造形物もフードメニューもどれもこれもがかなり手間がかかっていて、「HiGH&LOW THE MUSEUM」の外観に至ってはコンテナ街の抗争が今にも始まりそうなほどでした。
なお、「HiGH&LOW THE LAND」でのフードメニューや一部のグッズ、「HiGH&LOW THE MUSEUM」で飾られていた衣装の一部は新宿のスタジオアルタで開催中の「HiGH&LOW THE MOVIE 3/FINAL MISSION カフェ」にて販売や展示がされているようですので、気になる方はぜひ足を運んで観てください。
さて、前置きはこのくらいにして、
「HiGH&LOW THE LAND」では『HiGH&LOW THE MOVIE』のノーカット版を一日二回ほど上映していました。
2時間30分以上にもなるノーカット版は個人的には、公開版よりも良いなと感じましたので、その理由とカットされたシーンの一部について言及していこうと思います。
※『HiGH&LOW THE MOVIE』本編のネタバレありありです
※ただしRED RAINを始め2と3のネタバレは一切ありません
映画が始まるといきなり雨宮兄弟とMUGENの戦闘シーンが始まります。
ドラマ版1-1やシーズン2でもたびたび登場するお馴染みのシーンから始まり、ITOKANでの反省会を跨ぎ、「数年後(何年後かはうろ覚えです)」のテロップと共に上映版と同じく「山王街襲撃」と「無名街の爆破」シーンに繋がっていきます。
完全にドラマ版の映像を流用しただけのシーンで、カットされた理由も分かるのですが、僕的には映画の構成的にこのシーンの存在は「映画からこのシリーズに入ろうとしている人」のために残しておいて欲しかったシーンでもありました。
このシーンがあることで、今作自身が琥珀を中心としたチームである「MUGEN」の物語であると言うことが明確になるはずであり、
戦闘後の反省会のシーンではドラマシリーズを未見であったり、しばらく時間を置いてしまった人に対し琥珀と言う人物がどれだけ大きな人間でありカリスマ性があったかが伝わる場面であったと感じました。
映画単体で観てしまうと、いきなり琥珀さんの頭が既にやられている状態から始まるので「おいおい、こいつカリスマ0だろ」感を覚えてしまう人も知り合いには多かったです……。
ですが、完全にドラマ版の流用でしたし、その後ドラマ版を観てもらえれば良いと考えるとカットされたのも当然だったのかもしれません。
次に気になったカットされたシーンは今作での敵役であるチーム「MIGHTY WARRIORS」の根城、FUNK JUNGLEの外での会話シーンです。
海外マフィアである李の性格についてと琥珀はSWORD地区に興味がないから俺らが貰う、と言う旨の会話なのですが、前者の会話はかなり重要だったと鑑賞者が口を揃えて言っていますし僕もそう感じました。
「人を裏切らせることを繰り返し、今の地位を獲得した」と言う李の過去は、終盤の琥珀が九十九を殺そうとする時にやけにハイテンションだった理由に繋がりますし、
何よりもその要素がないので、公開版では単にヤバい奴です。実際ヤバいですけど。
しかし、個人的にカットされた理由は後者の部分にあるのではないかと考えています。
「MIGHTY WARRIORS」があたかもSWORD地区を欲しがっているように思える会話なのですが、「RUDE BOYS」との戦闘後の曲の中でICEははっきりと「そもそもSWORDに興味はないし」とはっきりと歌っています。
前後で食い違う発言ゆえに削られたのではないかと想像してしまうのでした。
お次は「RUDE BOYS」への一方的な攻撃を劉が九十九に見せるも、九十九が呆れてどこかに行ってしまうシーンからは去っていく九十九を劉が複雑な顔で見つめるシーンがカットされていました。
物凄く短いカットシーンですし些細な部分ではあるのですが、「RUDE BOYS」の発言などを鑑みると去っていく九十九を見て苦笑いやニヤニヤするかと思っただけに驚きました。
「時の流れとは残酷なもの」と言い、ずっと眠っていた九十九に対し何かしらの同情や、共感を覚えていたのではないか、と妄想も出来る良いシーンをカットしてしまったなと思いました。
そして、大まかなカットシーンでは一番残しておいて欲しかったと思うシーンが次の部分です。
時系列的には九十九がコブラとヤマトに琥珀の計画の一部を話し、龍也からもらったバイクの鍵をコブラに託した後かつコンテナ街の戦闘の前になります。
FUNK JUNGLEでSWORD潰しの大詰めを九十九に告げる琥珀は九十九をいきなり殴りつけ「山王に情報をリークしただろ」と憤る琥珀に、九十九は「昔の仲間を傷つける復讐に何の意味があるんだ」と叫びます。
若干動揺した琥珀は「俺の計画を邪魔する奴には容赦しない、それがたとえお前であってもな」と九十九に言いその場から離れていきます。
前々から『HiGH&LOW THE MOVIE』においてのツッコミどころの1つとしてあげられていた「九十九さんどこで怪我したの?」と言う部分に対する完全なアンサーになる部分であり、
また、これ以上の行為を止めようとする九十九に対して琥珀が「もう俺の邪魔をしないでくれ」と言うシーンの意味にもなります。
なぜカットされたのかがこのシーンに関しては本当に想像も出来ず、結果としてノーカット版を見る前は「九十九さんは言いがかりで暴力を受けている」としか思えず、琥珀さんがさらにヤバい奴に思えてしまったりもしていました。実際あの段階ではヤバいですけど。
と、気になったかつ覚えている主なカットシーンをあげさせていただきました。
その他にも、苺美瑠狂の登場シーンのようなギャグパートが削られたり、アクションシーンなどたくさんのシーンがカットを受けています。
カニと関ちゃんがコンテナ街の戦闘中に顔を合わせて満面の笑みを浮かべるシーンや、コブラが華麗な組技を使いながらザコを蹴散らすシーンなんかは削らないでほしかったりもしましたが、
ICEと雨宮広斗の戦闘や琥珀対九十九、コブラ、ヤマトの戦闘シーンは今の数倍の尺はあり、確かにテンポとしてはあまり良くなかった気もします。
映画を2時間と言う尺に収めることの大変さがこのノーカット版を鑑賞することで痛感することが出来ました。
しかし、このノーカット版はファンには見て欲しいものでしたし、ぜひともノーカット版のBlu-ray発売をよろしくお願いします……。
【映画レビュー】新感染 ファイナル・エクスプレス【88点】
ただひたすらに釜山へ進む……生き残るため、大事な人を守るため
・短評
ゾンビ映画の定番を丁寧に描くことによって無駄のない良作に
・あらすじ
離婚調停中の妻との間に出来た娘スアン(キム・スアン)の希望で釜山にいる妻のもとに娘を送ることになったソグ(コン・ユ)。
しかし、各地で市民が突如暴れ出す暴動事件が多発しており、ついにその波はソグたちの乗る釜山行きの電車を襲うことになる……。
・感想
今年の9月に日本で公開され、そのクオリティの高さに映画好きの間で話題となったゾンビ映画。
観たくて観たくて悶々としていたのですが、ついに11月4日に地元の映画館で公開されました。
以前に『ゾンビ』の記事で書いたことがありますが、僕はゾンビ映画にそれほど精通しているわけではありません。
【映画レビュー】ゾンビ【60点】 - a picture is worth a thousand words
そんな僕の個人的な三大ゾンビ映画は独特なビジュアルと強いメッセージ性を持った『28日後…』、ゾンビ映画の原点とも言える作品の良質現代リメイクである『ドーン・オブ・ザ・デッド』、荒廃した世界での友情をコメディタッチで描く『ゾンビランド』の3つだったのですが、この度『ドーン・オブ・ザ・デッド』と今作を入れ替えることになりました。
今作を端的に表すならば「ゾンビ映画の定番詰め合わせバリューパック」がかなり近いと思います。
主人公に対する嫌味を投げかける男が後に頼もしい味方になったり、
カップルが一緒に死んだり、
高圧的な態度を取り被害者を増やすきっかけとなる糞野郎ほど長く生き延びたり、
生き残る人物の選定であったりととにかくゾンビ映画の定番のような展開が次々と訪れます。
しかし、その定番要素を無駄なシーンを挟まずに、なおかつ丁寧に描写するため主人公のソグとその娘スアンが電車に乗ってからは一切退屈に思う時間がないくらいのジェットコースター感を味わえます。
物語としても多少の強引さは感じるもののキャラの死亡をためらわない思い切った采配と、
ゾンビ映画の定番とも言える「外界の情報がほとんどない状況下」での逃避行と言う移動している電車の中なのに閉塞感を覚える作りが新鮮で、行き着く先の不安さを一緒に味わえる作品となっていました。
主人公のソグ自身の成長物語としても良く、仕事人間で自分以外の事をあまり気にしない利己的なソグの考えが、危機下において徐々に全員を助けようと変化していく様も感動的です。
あまりにも今作が良かったので前日譚であるアニメーション映画『ソウル・ステーション/パンデミック』も観たいのですが、果たして地元ではやるのでしょうか……。
【映画レビュー】氷菓【65点】
かなり原作に近い誠実な作りの実写版
・短評
気にならない程度のオリジナル描写に留め展開は原作に忠実。
・あらすじ
省エネと言う生き方をモットーにする折木奉太郎(山崎賢人)は廃部寸前の古典部への入学を姉から強制される。
しかし、部員ゼロと聞いていた部室には莫大な土地を持つ豪農の家の才女、千反田える(広瀬アリス)がいた。
ひょんなことから千反田に興味を持たれ親友の福部里志(岡山天音)と共に古典部に入ることになってしまった折木だったが、千反田が古典部に対し特別な事情を持っていること知り……。
・感想
米澤穂信による同名小説を今年の実写化映画の顔、とすら言える山崎賢人主演で映画化した作品。
過去にこのブログで『愚者のエンドロール』を紹介したこともあるように、僕はこの原作シリーズが大好きで深夜アニメ化される際は深夜アニメと言うだけで強い拒否感を抱いたことすらある迷惑な原作厨でした。
読書の秋に勧める小説十選・後編 人が死なない推理小説・その他編 - a picture is worth a thousand words
ですが、アニメ版の『氷菓』は原作から逸脱することはほとんど無い上に、原作で分かりにくかった部分をしっかりと補うような演出もある良作で原作ファンにも納得の作品だったのです。
と、そんな前例が同作品であるにも関わらず実写化を完全に舐め切っていた僕なのですが、映画館に足を運び良い意味で驚かされました。
尺の都合で台詞や端の設定に変更や付け足しはあるものの、本筋に関しては殆どの面で原作に忠実な実写化で原作に対する理解を深く感じることが出来ました。
特にファンの間で警戒されていた登場人物の演技面においてもそのクオリティは高く、山崎賢人の折木奉太郎はこれまでの実写化で一番のハマり役に感じましたし、鑑賞前にはイマイチに感じていた広瀬アリスも折木がその目力に引き込まれる説得力を感じさせる目力でした。
その他のキャラにおいても演技は原作で感じた印象そのものが実写として行われていると思えるほどでしたし、原作ファンに括らずアニメ版のファンにも充分オススメできるほどだったと思います。
しかし、ここまで褒めておいて65点と言うのには少し理由があります。
原作を読んでいた時から感じていたのですが、この作品シリーズの特に第1作である『氷菓』はセリフ回しが高校生とは思えないほど大人びているのです。
いや、「粋人(すいじん)」なんて言葉、日常会話で聞いたことも言ったこともないですし、大人びているのレベルを越えて随分と意識が高いです。
原作からそこそこの違和感のあったセリフや文章を、実際に実写で映像化されるとその違和感はさらに強くなります。
俳優陣の演技のおかげで痛々しさは感じませんが、このような度々の違和感によって感情移入がしにくかったのはややマイナス点でした。(かと言ってどんな変更なら良かったのかも思い浮かばないのですが……)
そして、これに関してはもう完全に僕の問題なのですが、この米澤穂信による『氷菓』から始まる古典部シリーズの大ファン(特に2作目と4作目)ではあるのすが、僕はあまり1作目は好きではなかったりします。
ミステリーとしての部分にこじつけ感がぬぐえず、それは実写化されてもなお違和感がありました。
特に一番最初の推理である「部室の密室の謎」は尺をそこそこ使っていただけあって、その割にある人の行為が非効率的かつ危険度が高く納得できるものではありませんでした。
とは言え、原作にかなり忠実に作られた今作は、『氷菓』が好きな人には見て欲しいほどの原作への敬意が込められた作品なので、気になった方はぜひ劇場に足を運んでみて下さい。
【海外ドラマ】LUCIFER シーズン2
母の登場とクロエの過去がルシファーの心を追い詰める
・短評
シーズンを通して一本の本筋を追いながらシリーズの定番である形も崩さない、さらに参加したセカンドシーズン
・あらすじ
アメナディエル(D・B・ウッドサイド)の不在を突き、地獄に幽閉されていた母が脱走した。
間違いなく危険な存在である母の人間界への脱走に焦るルシファー(トム・エリス)だったが、意外にも母はあっさりと見つかることになる、殺人現場で。
一方、子育てと夫との関係に悩むクロエ(ローレン・ジャーマン)は家族との関係にある決断をし……。
・感想
以前に紹介させていただいた、ジェリー・ブラッカイマーが手がける異色の刑事ドラマ『LUCIFER』の第2シーズン。
【海外ドラマ】LUCIFER シーズン1 - a picture is worth a thousand words
今シーズンでは人間界にやってきた母親との攻防(?)とそれぞれの成長が18エピソードに渡って描かれていて、ルシファーとクロエ以外にもアメナディエル、メイズ、ダンなどと言ったレギュラー陣にもスポットが当たります。
しかし、やはり僕もファーストシーズンを2回も観ているだけあって、セカンドシーズンから出てくる新キャラに抵抗感がありました。
主な新レギュラーは人間の女性の身体で現世に舞い降りた母親のシャーロットと、分析の専門家としてクロエの捜査チームに加わるエラの2人ですが、この2人、とにかくめちゃくちゃに今作の面白さを引き出す存在になっていました。
まず、今シーズンの肝となるルシファーの母シャーロットですが、人間の命をなんとも思っていない天界の人物らしい冷血な性格に反して、家族の絆を何よりも大事にする母としての性格を持ち合わせています。
そのため、何が何でも人間界にいる家族とともに天国へ行くために、場をかき乱しルシファーを混乱の渦中へと誘う物語のトリックスター的を果たしているため、シャーロットの一挙一動からとにかく目が離せません。
善なのか悪なのかが掴めずコロコロとやることの変わる母と、自分の存在の意味に悩むアメナディエル、そして人間界こそ自分の居場所だと確信したルシファーなどの人外の人物の心情が母の登場でスポットを当てられることになったのも楽しい部分です。
一方で、もう1人の新キャラである分析官のエラは物語に直接関わってくる回はかなり少ないです。
ですが、信心深いが元ワルだったり、実写なのに顔の動きがピクサー作品のようであったり、どこかつかみ所のない飄々として性格だったり、と物語に明るさと和みを注入してくれるキャラで、彼女の登場シーンを挟むことで不思議と安心感が生まれます。
他キャラとの掛け合いも最高なキャラなので自分の中では既にこの作品になくてはならないキャラの1人になっています。
いくらでも語りたいことはあるのですが、今回はこの程度にしておきます。
母とのやり取りがメインになるシーズンではありますが、前シーズンと同様に事件を追う刑事ドラマとしての魅力も失っていないセカンドシーズンなので、ファーストシーズンを見た方は是非そのままセカンドシーズンをご覧になってください。
最新シーズンが待ちきれないです……。
えっ、ブルーレイが出るのは来年?
辛い……。
【映画レビュー】マイティ・ソー バトルロイヤル【85点】
アスガルドの真の王は誰なのか
マイティ・ソー バトルロイヤル Thor: Ragnarok シルク調生地 ファブリック アート キャンバス ポスター 6 約60×90cm マイティー ソー [並行輸入品]
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・短評
気の抜けるようなギャグシーンをちょこちょこ挟むことにより最初から最後まで楽しめる良作
・あらすじ
オーディン(アンソニー・ホプキンス)の娘である死の女神ヘラ(ケイト・ブランシェット)がアスガルドへと舞い戻った。
力と恐怖でその侵略を他国にまで広げようとするヘラを止めるため、同じくオーディンの息子であるソー(クリス・ヘムズワース)とロキ(トム・ヒドルストン)が動き出すが、その力の差は圧倒的で……。
・感想
MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の17作目にあたり、ソーを主人公にした作品の3作目となる本作。
あまり、前2作が面白く感じなかったことと、邦題にセンスを感じなかったことで期待値の下がっていた本作ですが、
劇場で鑑賞してみると、2時間ちょいの間一切退屈なシーンのないエンタメ映画として秀逸な完成度の作品でした。
物語自体はシンプルかつよく見る展開なのですが、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』と同様にキャラクター自体が非常に立っているため、シンプルな物語展開の中でキャラクターを動かしているだけで充分に面白く感じます。
ソーの神の尊厳をあまり感じない間の抜けた雰囲気や、ロキの歪んだ家族への愛情とその見せ方、そしてハルクの『アベンジャーズ』の頃から変わった性格など、キャラ自身とその掛け合い自体が面白いので、複雑な物語じゃない分、そのキャラ性をじっくりと堪能することが出来ました。
そしてこちらも『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』と似ている部分ではあるのですが、前2作のようなシリアス多めの展開や、ナタリー・ポートマンをヒロインにした恋愛路線から外れ、
シリアスなシーンでもギャグをそこかしこに入れることで気を張りすぎた展開が続き退屈に思う、と言ったことを回避しています。
今回が初登場となるケイト・ブランシェット演じる死の女神ヘラや、アスガルドの戦士でありながらヘラに従うカール・アーバン演じる(スタッフロールで気がつきました)スカージも魅力的で、彼女らの心情の変化も映画の見どころのひとつです。
逆に映画の要素としては面白かったものの、今後の展開が不安になってしまうほど今作ではソーシリーズ内での大変革を起こしており、
今までのシリーズの定番だった部分を容赦なく切り捨てて来ます。
来年にはシリーズの総決算作品である『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』も公開されるので、今後の展開が楽しみで仕方ありません!
【映画レビュー】サクラダリセット 後篇【50点】
完結編にしては地味な内容
・短評
全体的な雰囲気が合わなかったが及川光博は良かった
・あらすじ
2年前に死んだ同級生を能力を駆使し、助けることに成功した浅井ケイ(野村周平)。
しかし、咲良田の街から能力を消し去ることを目指す浦地正宗(及川光博)が街に現れ…。
・感想
【映画レビュー】サクラダリセット 前篇【60点】 - a picture is worth a thousand words
以前の記事でも紹介させていただいた同名小説の実写化作品の後編。
相変わらず原作もアニメも見ていないため、原作との変更点における良し悪しについては語ることが出来ません。
僕が後編を見て感じたのは「やっぱりこの作品は合わないなー」と言うことでした。
ラブコメが中心なのは良いんです。
元からティーン向けの映画ですし、そこに文句をつけるのは「じゃあ、見なきゃ良いじゃん」の一言で済ますことが出来ます。
ですが、今作では肝心の能力ものや人間ドラマとしての部分もイマイチ面白味を感じることが出来ませんでした。
まず、能力ものとしての今作ですが、いかんせん地味なのです。
前作のようにリセットを多用するわけでもなく、戦闘系の能力が出て来るわけでもなく、今回のほとんどの能力者が記憶を操ったりと目に見えない能力ばかり。
後編になり、恐ろしい能力者が出てくると思っていたのであまりの地味さにびっくりしました。
そして人間ドラマとしてですが、主人公たちの行動に感情移入が出来ず、こちらもイマイチ。
咲良田から能力を消そうとする浦地との策の見せ合いがメインではありますが、そもそも浦地の目指す未来があまり悪いもののように思えませんし、むしろ主人公たちの反乱で何人か屋上から落ちたりしてる分、どっちもどっち感が絶えません。
騙し合いや主人公の策自身も、たまに「おおっ」となる部分はありますが、前編と同様に相変わらず人の感情まかせな面が目につきますし、何とも言えない感想でした。
しかし、俳優の面において浦地を演じる及川光博の登場と彼らしい演技により魅力は増え、様々な疑問を思いつつも最後までそれなりに楽しむことはできました。
全体的に舞台っぽい演技や、人物が画面外にいる時の声の響き具合と言い自分には合わない作品だなと思いましたが、
純粋に自分に合わないだけで、観る人によっては好きな作品だろうなとも思いました。
【映画レビュー】HiGH&LOW THE MOVIE 3 FINAL MISSION【85点】
ファン大感謝祭
・短評
ご新規さんにはオススメしにくいが、シリーズを追ってきたファンにはたまらない作品
・あらすじ
最大の暴力団、九龍グループとの本格的な抗争が始まり、壊滅状態に追い込まれたSWORD。
山王連合会の総長コブラ(岩田剛典)は九龍への怒りのあまり、冷静さを失い仲間の制止も聞かず単独行動を取り始めていた。
一方、雨宮兄弟と合流した琥珀(AKIRA)と九十九(青柳翔)は九龍の推し進めるカジノ建設計画とSWORDに隠された秘密を知り……。
・感想
『HiGH&LOW THE MOVIE』シリーズ3作目となり、最終章と宣伝された本作を試写会ライブビューイングで鑑賞。
まず見終わってからのざっくりとした感想は「単体作品としての魅力は前2作の方が上だがシリーズファンには間違いなく今作が刺さる」と言う感じでした。
否定的な面から最初に語りますが、鑑賞後にそれなりに「おやっ?」と思うところもありました。
物語のメインとなるSWORDの面々ですが今作では「山王連合会」と「RUDE BOYS」以外の出番はかなり少なめで、物語はこの2チームを中心に展開していきます。
そして1、2作目では主人公たちに対する敵役として登場した「MIGHTY WARRIORS」に至っては3分以上登場していたかすら怪しい登場時間。
こうなってくると物語内で前作の『HiGH&LOW THE MOVIE 2/END OF SKY』の要素は雨宮兄弟と琥珀周りしか活きてこず、「SWORDの総決算」と言う印象は薄く感じました。
他にも、前2作で見どころとなっていたような大乱闘は影を潜め、直接戦闘を行わないチームもいるほどで、アクションとしての格好良いシーンはあるものの前2作の終盤のようなワラワラとした戦闘は余りありません。
更に、最終章と宣伝した(これは宣伝の問題です)割に「カジノ建設計画」が1つの終わりを見せるだけで、断罪されるべきものがほぼ放置されたり、むしろ伏線を新たに張ったりなど「FINAL MISSIONと言いつつも次のミッションもあるよね」感がぬぐえず、前作と同様にサブタイトルは余り関係のない作りになっていました。
と、今作を単体作品として見た場合には否定的な面にも目が行くのですが、シリーズファンとしてはとにかく感涙ものの作品でした。
否定要素の1つとしてあげた「山王連合会」と「RUDE BOYS」以外の出番は少ないと言う部分に関しては、前作までで作り上げたそれぞれの強烈キャラの印象によって、シリーズを通して観ている人にはそこまで多くの登場シーンを作らなくても物語に関わるのに違和感がなく感じるはずですし、
何よりも、中盤から終盤にかけての展開と、エンディングの演出はファンの精神を否応なしに責め立ててきます。
ドラマから始まったこのシリーズは例外は多くあるものの基本的に「山王連合会」の総長、コブラの目線で物語が展開していきますが、個人的にコブラは他のチームのリーダーと違いチームを率いるリーダーとしての「何か」が不足しているように感じていました。
しかし、今作では僕が個人的に感じていたそんな違和感を払拭する答えをコブラ自身が見出そうと奮闘していて、このシリーズでの最終章の意味は僕的には「コブラの成長物語」としての到着点だったように思え、琥珀とのやり取りでは心がかなり動かされたのを覚えています。
そんなことコブラさんあんま考えてないでしょwwとバカにしていた「その痛みの先にあるものはなんだ。俺たちは何のために拳を振りかざしていたのか」と言うセリフが大きな意味を持つこの作品。
アクションを期待していたら、他の部分で泣かされかけたのがリアルな感想ですが、シリーズを通してみた上での鑑賞を何よりもオススメしたい作品です。
因みに相変わらず愛すべきツッコミどころも多く、ネタバレは出来ないですが「家村会の仕事は雑」と言うワードでツッコミどころを解決出来てしまうこのシリーズのツッコミどころは凄く好きです。